こんにちは、おらプラです。
スミ入れはガンプラの仕上げをグッと格好良くするのに欠かせない工程です。
ところが、スミを流して乾燥させるまではうまく行っても、拭き取りがうまく行かない人多いんじゃないでしょうか?
塗料を吸い取りすぎてしまったり、はみ出しを処理できなかったり。
今回は、スミ入れのトラブルの中で初心者には厄介な「にじみ」を詳しく解説します。
「どれだけ拭き取っても、塗装ににじんだようになって拭き取れない!」
「本を見ても拭き取りは簡単って書いてあるのに・・・?」
そこには、上級者には当たり前でも、初心者にはわかりにくい違いがあったのです。
これを知れば、スミ入れをキレイに拭き取ることが出来るようになりますよ。
「スミ入れを拭き取ってもにじみが残って汚い」という悩み
私もスミ入れは苦手でした。
スジ彫りを深く彫って、スミを流し込むまで丁寧にやったのに、
「かんじんの拭き取りでキレイに拭き取りきれない」
「また失敗しそうで怖い」
という思いがありました。
溶剤を使っても、ゴシゴシとこすっても、にじんだように跡が残るのです。
「はみ出すのがだめなのかな?」
と思いますが、本などを見ても、
「はみ出したところは、綿棒などで簡単に拭き取りましょう」
と書いてあるだけなんですよね。
私はとても悩みましたよ。
あるベテランさんに教えてもらうまでは。
スミ入れでにじむ原因
他の人たちが苦労しないのに、自分はうまくスミ入れの拭き取りできないのはどうしてなんだろう?
ずばり表面がザラザラだから
それはずばり、
「表面がザラザラだからにじむんだよ」
ということでした。
「ザラザラ? キレイに塗装してありますけど?」
私はそう思いましたが、違うのです。
「つや消し塗装はザラザラだから、そのままスミイレするとにじむのは当たり前」
当たり前って言われても・・・どういうこと?
スミ入れ塗料が入り込むから拭き取れない
ザラザラな表面には、スミ入れの塗料が深く入り込むらしいのです。
ですから、表面をいくら拭き取っても、塗料がいつまでも残る・・・
つまり「にじんだように汚い」というわけです。
乾燥時間とか、拭き取り方とか、溶剤の量とか、綿棒の良し悪しとか関係なく、おおもとの原因はパーツ表面の状態にあったのでした。
どうして表面がザラザラなのか
では、どういう状態がザラザラなんでしょうか?
私はザラザラと言うとヤスリがけした表面のことしか思い浮かびませんでしたし、まさか塗装面がザラザラとは思いもしませんでしたけど。
ヤスリがけした場合
ヤスリがけしたプラスティックはザラザラです。
これはわかりますよね。
2000番とか3000番とかまでやると違うのかもしれません。
ですが、私がやるような1000番までのヤスリがけでは、ザラザラです。
手触りはツルツルなんですけどね~。
つや消し塗装してある場合
次は私が気づかなかったことで、たぶん初心者が見落としがちなこと。
それは、つや消し塗装はザラザラだということです。
上級者にとっては当たり前なのは、
「表面がザラザラだからつや消しなんだもの。当たり前でしょ?」
ということらしいです。
下に、パーツの状態ごとに表面の状態をまとめてみました。
パーツ処理 | 表面の状態 |
パーツそのまま | ツルツル |
ヤスリがけ | ザラザラ |
サーフェイサー | ザラザラ |
つやあり塗装 | ツルツル |
つや消し塗装 | ザラザラ |
私はファレホ(基本全部つや消し)なので、ザラザラというわけですね。「そうだったのか」って感じでしたよ。
素組みなら問題ないはず
塗装をしない素組み派の人は、たぶんスミ入れの悩みはないんじゃないかと思います。
他の悩みはあるかもしれませんが、今回説明した「拭き取りでにじむ」ことはないはずです。
パーツは成形された状態ではツルツルだからですね。
「むしろ、全部拭き取れすぎるので、困る。スジ彫りが浅いから?」
という悩みになるかと思います。
スミ入れ拭き取りをキレイにする解決方法
光沢トップコートをすれば大丈夫です
「スミ入れ塗料が深く入り込まなければ大丈夫」ということは、「表面がツルツルなら大丈夫」ということです。
塗装にツヤ消しがある場合でも、スミ入れの拭き取りをキレイに簡単にする方法は、
ツヤあり(光沢)トップコートをかける
ことです。
ザラザラの表面を一度ツルツルにしてから、スミ入れをして拭き取るのです。
これが上級者には当たり前で、私たち初級者には気づきにくいことだったのです。
最終的にツヤ消しに仕上げたい場合は、スミ入れが終わったあとに、もう一度ツヤ消しトップコートをすることになります。
2度手間ですし面倒ですが、ハッキリと仕上がりに違いが出ますので、やりましょう。
実験してみましたよ
プラ板でテストしてみます。
プラ板にグレーのサーフェイサーをスプレーして、その上に半分だけ光沢トップコートをしてあります。比較として、サーフェイサーを塗っていないところには1000番のヤスリをかけてあります。
そこに、ウェザリングカラーでスミ入れを行いました。
それぞれの場所に、チョンチョンとはみ出しポイントを作りました。
結果は上の写真のようになりました。
本当は白いサーフェイサーでやったほうがわかりやすかったと思います。すみません。
ヤスリがけの面が一番汚く、拭き取るときに広がったところがすべてにじんでしまいました。
こうなるとどれだけ拭き取っても消えません。
サーフェイサーのところは、ヤスリがけほどではありませんが、はみ出しがにじんでいて残っているのがわかると思います。
私がいつもなってしまっていた状態がこれですね。
対して、光沢トップコートをしたところは、まったく残りません。
「表面ツルツルにしてスミ入れ」が合言葉
以上、「スミ入れの拭き取りでにじんだようになって汚い」という悩みの原因と解決法について説明してきました。
知ってしまえばなんていうこともない、それこそ「当たり前」の知識です。
当たり前だから誰も説明しない・・・んでしょうね。
でも、私のように知らずに悩む人がいるかもしれないので、解説してみました。
私に教えてくれたベテランのように、この記事が誰かの役に立てばうれしいです。
スミ入れは表面をツルツルにしてやるべし!
もうこれでスミ入れで失敗することを恐れなくていいですよ!