毛細管現象のよくある一般的説明
毛細管現象とは、液体の表面張力によって起こる現象のことです。
プラモデル界隈に限ったことではなく、一般的な物理現象なので、当然モデラー以外の方も知っているでしょう。理科で習ったような記憶もあります。
簡単に説明すると(難しい理屈はそもそも知らないわけだけども)、表面張力の作用により、
液体は細くて狭いところに、より入り込みやすい
という現象です。
上の図のように、水面に細い管を差し込むと、なぜか管の中だけ水面が引っ張り上げられます。
管の直径が細いほど余計に水面が上がります。
太いストローより細いストローのほうが飲みやすいのと同じ?いや、違うか?でも、感覚は似ています。
プラモにおける毛細管現象の実際
そのうえで、プラモデル製作においては、上の図のような場面はありません。
それでは、プラモデル製作においてモデラーが口にする毛細管現象はいったいどこで使うのでしょう?
プラモでは「流れること」
プラモデルでは、水面がどうこうではなく、液体が狭いところに「流れる」ことで目にすることが多いです。(原理はまったく同じで、毛細管現象に間違いはありません)
たとえば・・・
流し込み接着剤
皆さんご存知「流し込み接着剤」がそうです。
普通の接着剤(タミヤの白ブタなど)に比べるとサラサラな接着剤ですが、パーツの合わせ目にチョンと塗ると、スゥーーッと流れていきます。
だから「流し込み」というわけですが、これは毛細管現象によるものです。
スミ入れ
また、スジボリやモールドにスミ入れをしますが、これも毛細管現象によるものです。
スミ入れ塗料も流し込み接着剤と同じようにサラサラだったり、またはサラサラに薄めて使います。
流れる条件
プラモデルにおいては、細い管の役割をするのは「細いモールドorスジボリ」や「狭いパーツのスキマ」です。
毛細管現象の説明で「管が細いほど吸い上げる力が強い」と書きましたが、プラモデルで毛細管現象により流れる現象は、次のときに強く発生します。
細くてシャープ
モールドもスジボリもスキマも、細い(狭い)ほど液体の流れる力は強くなります。
0.1mmのスジボリでは、0.2mmのスジボリより塗料がよく流れることになります。
液がシャバシャバ
また、液体(塗料・接着剤)はサラサラ・シャバシャバなほうがよく流れます。
ドロっとしたものはあまり流れません。
毛細管現象による失敗
これまで説明したのは、毛細管現象を利用したプラモデルのテクニックですが、逆に、毛細管現象が悪さをすることもあります。
上の写真はマスキングをしたはずなのに、細いモールドに塗料が流れ込んでしまったという失敗の写真です。
マスキングテープを貼っても、プラ表面とマスキングテープの間に毛細管現象が発生して、塗料を吸い上げて流れ込んでしまったのです。
ちなみにちゃんと対処法はありますので、知らない人はぜひ参考にしてください。
以上、毛細管現象という言葉は知らなくてもいいですが、プラモデル製作でいろいろな場面で現れる現象なので、おおまかに理解しておくといいかもしれませんね。