こんにちは、おらプラです。
プラモデルを作るときに、邪魔な存在となるパーティングライン。
英語で書くと「parting line」で、直訳すると「分かれ目・合わせ目」という感じです。
「ああ、あの合わせ目のことね!」
と思った人、ちょっと待って。
プラモデル製作でよくやる「合わせ目消し」の「合わせ目」と、「パーティングライン」は別のものなんです。
まぎらわしいですよね(笑)
初心者の方向けに、
- パーティングラインの出来る理由
- パーティングラインと合わせ目の違い
- パーティングラインの消し方
を解説します。
2つの単語を使い分けて、会話や本の理解で混乱しないようにしましょう。
パーティングラインとは?
まずは、パーティングラインについて解説します。
プラモデルを製造する上で必ず出来るコレ
プラモデルのパーツに、必ず存在するのがパーティングラインです。
パーツの円周にグルリと取り囲むように、ほんの少し飛び出て線になっている、それがパーティングラインです。
一見パーツ同士の接着あとにできる「合わせ目」と似ていますが、こちらは単独のパーツの時点ですでにあるものです。
パーティングラインの出来る理由
プラモデルは、2つの金型の間に、プラスティックを流し込んでパーツを成形します。
2つの金型を密着させ、そこにゲート(注ぎ口)からプラスティックを注入しますが、金型にはどうしてもスキマが発生します。
すごい圧力で注入されたプラスティックは、そのスキマにはみ出してしまい、そのまま固まります。
このはみ出しが、パーティングラインというわけです。
上の写真を見ると、ランナー部分にもパーティングラインがあるのがおわかりかと思います。
パーティングラインは、パーツだけではなくランナーも含めて、全周囲に発生します。
「はみ出し」が特に大きくなったところは、「バリ」と呼ばれます。
パーツの合わせ目との違い
それでは、パーツの合わせ目との違いを、写真で一応見てみましょう。
おわかりでしょうか。
ランナーから切り離した時点で、最初からあるのが「パーテイングライン」で、パーツ同士をくっつけた境目が接着跡つまり「合わせ目」です。
最近のキットはとても優秀で、とくにガンプラは誰にでも簡単に完成度の高いものを作れるように工夫されています。
パーツ同士の合わせ目は見えないところに隠されて、合わせ目消しの必要がない物が増えています。
上級者と初心者との差が、組み立ての段階では小さくなっていると言っていいんではないでしょうか。
パーティングラインも同じように隠せるといいのでしょうが、じつは合わせ目ほどは完全には出来ないようです。
でも、合わせ目を気にしても、パーティングラインは気にしない人も多くて、そこで差が出てしまう例が多いと思います。
合わせ目より些細ですし、目立ちにくいものですから、「ま、これくらいはいいや」ってなっちゃうんですよね。(自己反省)
上級者ほど、そういう細かいところにも気を配って、丁寧に消していらっしゃいますね。
パーティングラインの消し方
それでは、パーティングラインはどうやって消せばいいのでしょうか?
やり方は合わせ目消しとまったく同じです。
ヤスリをかけたり、カンナがけして消しましょう。
パーツの合わせ目と違って、パーティングラインは全てのパーツの全周に出ますから、けっこう面倒です。
それを全部ヤスリがけするのは骨が折れますし、時間もかかってしまいます。
私はヤスリと併用するのが、セラミックブレードです。
セラミック製の刃でカンナだけするための、専用の道具です。
パーティングラインは合わせ目ほど大きくないので、これで軽くなぞるだけで、簡単にパーティングラインを消せます。
もちろん合わせ目消しにも使えますので、使い出すと病みつきですよ。
パーティングラインまとめ
パーティングラインは、パーツの合わせ目とは違います。
パーツ同士の接着面に出来るものではなくて、プラモデルの製造工程上、どのパーツにも必ず発生してしまうものです。
見た目は合わせ目ほど大きくなく、小さいものです。なので、
- 初心者ほど気にしないで消さない人も多い
- だからこそ、消すか消さないかで実は大きな差になる
というポイントです。
プラモデルのコンテストで、審査員をするプロモデラーさんが言ってらっしゃいました。
「どんなに改造や塗装が上手でも、パーティングラインなどを手抜いて消してない時点でアウト。じつはそんな基本的なところも、審査員は見てるんですよ」
そんなに大変なことでもないので、消すクセを付けるべきなんでしょうね。
パーティングライン、消しましょう。(←お前もな)