初心者が勘違い「ヤスリがけは一定方向で往復させない」の意味

初心・初級者
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こんにちは、おらプラです。

プラモデルの入門書で、ヤスリがけに関する注意事項として、次のように書かれています。

「ヤスリは常に一定方向へ動かし、往復させてはいけない」

これはもちろん正しいことで、守ったほうがいいのですけれど、きっと初心者のなかには勘違いしている人も多いと思うんです。

なぜなら、自分がそうだったから(笑)

上手な人が、動画でヤスリを往復させて使っているのを観たとき、

「おいおい、ダメじゃん。この人上手なのに・・・」

と思ってましたからね(恥)。

実は、往復させていいヤスリがけと、一方向だけにしなければいけないヤスリがけがあるのです。

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ヤスリがけは一方向に?

往復と一定方向のメカニズムについては後で解説しますが、まずはみなさんが使っているヤスリが、それぞれどちらに該当するのか結論だけ書いていきます。

ちなみに私は最初、すべてのヤスリがけを一定方向に使っていましたッ!

紙ヤスリは全方向OK

紙ヤスリ拡大

まず一番基本とも言える紙ヤスリですが、これは全方向に動かしてヤスっても大丈夫です。

スポンジヤスリも全方向OK

スポンジヤスリ拡大

次に、紙ヤスリのバリエーションであるスポンジヤスリも、やはり全方向に動かしてヤスっても大丈夫です。

金属ヤスリは一方向「前か右前方に押す」

金属ヤスリ拡大①

金属ヤスリ拡大②

次は金属ヤスリですが、これは一定方向にだけ動かしてヤスらなければいけません。(次の項目の特例を除く)

目が粗いものも細かいものも同じです。

金属ヤスリは前方または右前方だけに動かす

ちなみに金属ヤスリの一定方向というのは決まっていて、金属ヤスリは前方、または右前方だけに動かしてヤスるものです。

金属ヤスリは、通常は前方に動かしてヤスリますが、右前方に動かすと「ややマイルドに」ヤスることが出来るのです。

一般的には、大きくヤスるときは前方に動かし、仕上げに近い時は右前方に動かすモデラーが多いと思います。

全方向OKな金属ヤスリ

金属ヤスリ拡大③

金属ヤスリでも、ダイヤモンドヤスリと呼ばれるものは例外で、これは全方向に動かしてヤスることができます。

ただし、金属ヤスリの形状は同じ(持ち手&ヤスリ面)なので、往復させずに使う人も多いです。慣れた動きですし、そのほうが正しくヤスリがけ出来るからですが、一応ヤスリの構造としては、全方向に動かしても大丈夫と考えてください。

往復させてはいけない理由

かんたんな図解

さて、つまりは、

  • 一部を除く金属ヤスリ以外は、すべて全方向に動かしても大丈夫
  • 金属ヤスリは前方・右前方の一定方向に動かさなければいけない

ということです。

では、どうしてその違いが出てくるのか、簡単な図で解説します。

ヤスリの違い

ヤスリは実際にはもっと複雑な形状をしていますが、大まかにいうと、上の図のような違いがあります。

紙ヤスリやスポンジヤスリは、ヤスリの働きをする細かい粒子がランダムに並んでいるだけです。

しかし金属ヤスリは、金属面に掘られた刃が規則正しく並んでいます。

金属ヤスリの刃は、ヤスリを前方に動かしたときに正しく削るように設計されているので、逆向きに動かすと、刃が立って傷つけてしまうのです。

金属ヤスリを逆に動かすと・・・?

このパーツを使います

適当なジャンクパーツを使って、実際に金属ヤスリを正方向・逆方向でテストしてみましょう。

金属ヤスリを正しい方向で使うと

まずは金属ヤスリを正しい方向(前方)へ一定方向の動きをさせてヤスってみました。

とても滑らかに、キレイにヤスれています。

金属ヤスリを逆方向に使うと

次に金属ヤスリを逆方向(手前に戻す)へ動かしてみました。

一目瞭然ですね。

削るのではなく、まるでナイフで引っかいたように傷が並んでついています。

金属ヤスリの逆方向とは、こういうことなのです。

もしも、金属ヤスリを往復させて使ったとしたら、ヤスれて、傷ついて、ヤスれて、傷ついて・・・の連続になって、

「あれー?いつまでもキレイにならないぞ?」

となってしまうことになります。

ヤスリがけ方向まとめ

結論、入門書などに書いてある、

「ヤスリは必ず一定方向に動かしてヤスる」

というのは、金属ヤスリだけに当てはまるのです。

もちろん、その他のヤスリを一定方向に動かして使っても、まったく問題はありません。

ただ、効率は悪くなりますよね。

私のように勘違いしないで、金属ヤスリだけは一定方向になるように使ってください。

動画で紙ヤスリを往復させてるプロモデラーを観て、変なツッコミ入れないようにね~(笑)

⬇今回写真で使っている金属ヤスリですが、一番下のものは全方向OKのものです。