こんにちは、おらプラです。
エッチングパーツは使ってますか?
ガンプラでは付属しているものはない(多分)と思いますが、戦車や戦艦などのスケールモデルではよく使われます。
キットに付属してくるものもあれば、別売りで売られているものもあります。
プラスチックでは絶対に作れないような、超精密に加工されているものが多くて、ワンポイントで使うだけでも、一気に精密感を上げてくれます。
プラスチックじゃなくて金属で出来てるので、いろいろと扱い方がちょっと違います。
今回は初心者の方がエッチングパーツを使う場合の、基礎知識を解説してみました。
切る、曲げる、接着する、どれも独特の知識が必要ですが、決して難しいものではありません。
下で書いた基礎知識だけでちゃんと使えますので、ぜひ改造などで使ってみてください。
エッチングパーツとは?
上の写真のように、エッチングパーツを使うと、プラでは成形が難しいような、細いパーツや小さな凹凸を再現できます。艦船模型ではキットでは再現されていない、ハシゴや手すりなどを追加したりします。
戦車では、ダクトのようなアミアミのところなどによく使われます。
グッと精密感が上がってリアルになるので、付属していると嬉しくなりますし、改造でも手軽な方法と言えるでしょう。
薄い金属板で出来てる
エッチングパーツは、ものすごく薄い金属板(0.1mm前後)を、腐食液で薄くしたり模様をつけたりした(フォトエッチングという)ものです。
細~いパーツは、プラだと折れたりしやすいですが、金属なので比較的頑丈に作れます。
段違いの精密感
エッチングパーツはものすごく精密に加工できますので、作品の精密感がぐっとアップします。
上の写真は、エッチングパーツだけで出来たおもちゃのミニキットですが、交差するフレームなど、とっても細かいでしょ?
大きさ比較にデザインナイフを並べてみたので、細かさがわかるかと思います。
付属のものや別売りのもの
エッチングパーツはキットに付属しているものもあれば、別売りで購入するものもあります。
たとえば上の写真はタミヤの艦船モデル用の別売りパーツですが、きっと本体より作るのに時間がかかりますし、なんと価格も高いものです。
私の知る限り、艦船モデルがエッチングパーツの一番使われるもので、別売りのセットものがたくさん売られています。
それでは、具体的にエッチングパーツをどのように使うのか、基礎知識を説明していきます。
エッチングパーツを切る方法
まずはエッチングパーツを切る方法です。
カッターやデザインナイフで
エッチングパーツは金属ですから、絶対にプラ用のニッパーで切ってはいけません。
すぐに刃がダメになりますよ。(古くなったものを使う人もいます)
基本的にはデザインナイフかカッターを使いますが、それもやはり刃がダメになるので、切れなくなったらこまめに交換しましょう。
エッチングパーツはプラと同じくゲートのような細い箇所で固定されていますので、そこを切ります。
ゲートの部分にナイフを載せて、パーツの方へスライドさせます。
ゲートの部分とパーツには段差がありますので、そこで刃がカツンと止まります。
そこで、グッと刃を押し込んで切るのです。
「よくもこんなうまい具合に加工するものだな」
と感心しますが、パーツは点でくっついているので、少し力を入れるとパツンッと気持ちよく取れますよ。
マットの上は良くない
一つ注意点がありまして、切るときに下にカッティングマットを敷くのはよくないです。
なぜなら、マットが軟らかいので、上から刃を押し付けたときに沈んでしまい、エッチングパーツが曲がってしまうことがあるからです。
(透明なので)写真では見にくいですが、私はアクリル板やプラ板を敷いています。
下に敷くものは、ある程度硬いほうがいいというわけです。
専用の道具
エッチングパーツを切るときに、私は使い捨てのカッターを主に使っていますが、場合によって専用の道具を使うことがあります。
タミヤさんのエッチングバサミです。
薄い金属も簡単に切ることが出来るので、パーツの形状によってはこちらのほうがキレイに切れます。
また、切断時に残ったバリを取るために、これもタミヤさんのエッチングパーツ用ヤスリを使っています。
普通のヤスリでは、エッチングパーツのほうが負けて変形してしまうのですが、このヤスリはとても細かい目なので、エッチングパーツを傷めずにヤスることが出来るんですよ。
エッチングパーツを多用するかどうかわからないでしょうし、まずはカッターでやってみて、必要に応じて買い揃えればいいと思います。
エッチングパーツを曲げる方法
エッチングパーツは薄い金属板ですから、簡単に曲げることが出来ます。
曲げるポイント
曲げるポイントには、「ハーフエッチング」といって、少し薄くなった部分が線上に入っていて、力を加えるとそこで曲げられるようになっています。
板状でしか作れないエッチングパーツを、立体的な形状にして使うためには、曲げる必要がありますからね。
何度も曲げない
薄い金属板であるエッチングパーツは、何度も曲げたり伸ばしたりすると、金属疲労でそこで切れてしまいます。
これ、よくやる失敗なんですよ。
「あ、曲げすぎた! じゃあ戻して・・・」
なんてやってて、そこで分離してしまうと、かなりショックです。
専用の道具
エッチングパーツは曲げやすいと書きましたが、なかにはとっても細かいものや、曲げ用の目印(ハーフエッチング)が入っていないものもあります。
それをピンセットでやろうとしても、いまいちうまくいかない場面ってけっこうあるんです。
そこで、エッチングパーツを曲げるための、専用の道具もあります。
エッチングベンダーといって、ペンチやピンセットみたいなものですが、エッチングパーツをつかみやすいように、点ではなくて面で挟み込むようになっています。
曲げたいラインにベンダーを合わせてつかみ、全体を一気に曲げるように力を加えます。
これをピンセットなどでやると、力が一箇所に集中してしまうので、曲げるところがグニャグニャになりやすい。
必須ではないですが、私はこれは最初から購入して、ピンセットと一緒に使ったほうが便利だと思いました。
もっと大きなペンチ型もありますが、私は小さいものだけ使ってます。(エッチングパーツ自体が小
さいものが多いので)
エッチングパーツを接着する方法
瞬間接着剤を使います
エッチングパーツは金属ですから、当然プラ用の接着剤は使えません。
金属が着けばなんでもいいですが、一般的には瞬間接着剤が使われます。
すぐに固まる液体状のもの、ゆっくり固まるゼリー状のもの、2種類を使い分けます。
↑これ、超便利。少量ずつ押し出しやすい。私はゼリー状は絶対にこれ。
↑100均のものよりやっぱり接着力が強いと感じます。これは3本小分けセットで、固まるのを防げます。便利。
便利な道具
そして、エッチングパーツじゃなくても、瞬間接着剤を使うなら絶対に準備してほしい便利アイテムが、硬化促進スプレーです。
瞬間接着剤といいながら、実際はけっこう固まるのに時間がかかるじゃないですか?
エッチングパーツのような超細かいものを、固まるまで固定しておくのって、実際けっこう難しいものです。
そこで、位置決めしたらこのスプレーをシュッとかけるのですが、これはもう本当に一瞬で固まります。
初めて使ったら絶対に驚くと思います。
プラモ用で各社から発売(スプレー&ハケ)されていますが、アルテコさんのこれが一番コスパがよくて、おまけにノズルも使いやすいです。
エッチングパーツ以外でも使えますし、プラモやるならぜひ1本。
工具としてのエッチングパーツ
最後にひとつ。
エッチングパーツはその特性を活かして、プラモ業界では工具としても使われています。
エッチングのこぎり
まずはエッチングパーツの薄さを活かして、のこぎりとして利用するものです。
「こんな薄いのに、ちゃんと切れるの?」
と感じますが、とってもよく切れます。
刃が薄いので、けずりしろが小さいのも便利ですよ。
じつはスジボリにも使えます。
スジボリのガイド
金属板なので、スジボリで複雑なカタチを彫りたいときにガイドとしても使われます。
いちいちガイドテープでカタチを作らなくてもいいので便利です。
両面テープなどで貼って使います。
エッチングパーツはすごい!
エッチングパーツの基礎知識、「切る、曲げる、接着する」方法を説明してきました。
ちょっとしたリアリティアップから、きっと全体を作り変えるようなものまで、エッチングパーツの世界は広いです。
あまり大量のエッチングパーツを使うのは、はっきり言って疲れますし、お財布も痛いのですが、使えば使うほど精密感が上がるのは間違いないです。
私は上手ではありませんが、それでもエッチングパーツを使うことが「効果抜群」なのは知っているつもりです。
ガンプラでも改造するためのエッチングパーツ(&金属パーツ)はありますし、これまで使う機会のなかった人でも、ぜひ使ってみてほしいなと思います。
プラモデルを趣味にしておいて、こう言うのもなんですが・・・
「プラとは違うのだよ、プラとは!」