筆塗りモデラー目線で伝えたい!『エアブラシとの比較』

プラモあれこれ
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こんにちは、おらプラです。

みなさんプラモデルの塗装はエアブラシですか?筆塗りですか?

私はエアブラシは使えない環境なので、筆塗りを選んで楽しんでいます。

でも今仮に「エアブラシを使ってもいいよ」と言われて渡されたとしても、筆塗り塗装をします。

それだけ筆塗り塗装が好きになっちゃった。

エアブラシと筆塗りのどちらが優れているとか、どっちがいいプラモになるとかという目線は今回ナシにして、

「筆塗りモデラーから見たエアブラシと筆塗りの比較」

「どうして筆塗りを選ぶのか?」

をお話していきたいと思います。

筆塗りはとにかく楽しいのです!

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筆塗り大好きです

筆塗りは行き当たりばったりでOK

今の私は、筆塗り塗装が大好きです。

極端にいうなら「プラモを作るのは筆塗り塗装を楽しむため」と言っても過言じゃないくらいです。

塗料を筆につけて、ペタペタ塗っていること自体が好きなんです。

「筆塗りする人って、絵が好きだったり上手い人なんでしょ?」

と昔は思っていましたが、私はまったく「絵心ない芸人」の一員でして、下手な上に好きでもありません。今この瞬間も絵なんて描きたくない!(笑)

でも、プラモデルは違うんですよね。

真っさらな紙に絵を描いたり色を塗ることは出来なくても、プラモデルは最初から形がありますから。

どれだけ下手に塗っても、ガンダムはガンダム、ザクはザク、になってくれるんです。

「プラモデルは立体的なキャンバス」と例えられる事が多いですが、私に言わせると「立体的な塗り絵」のほうが近いと感じています。

エアブラシ使えないから?

エアブラシのようにしたくてキレイに筆塗りしてた

数年前にプラモデル作りを復帰したときは、エアブラシを買おうかと思っていました。

子供の頃はもちろん買えませんでしたし、塗装だってほとんどしていませんでした。

「エアブラシ使うと、すごくキレイに色が塗れる」

という知識だけはありました。

ただ、

  • いきなりエアブラシ買って、すぐにプラモやめたらもったいない
  • コンプレッサーとか塗装ブースとか場所を食う
  • そのうちエアブラシに移行すればいい

と思って筆塗りから始めたのです。

「筆塗りはエアブラシを使えない人がやる下位の塗り方」

という認識でした。

そんな私が今では筆塗りに夢中で「エアブラシ?いらね」って思ってるのだから不思議です。

今どういうふうに感じているか、詳しく書いていきます。

筆塗り塗装のイイところ

違う色足してみる

私が魅力を感じている筆塗り塗装のイイところ、熱く語らせて下さい。

失敗しても塗り直せる

筆塗り塗装は、失敗しても何度でも塗り直せます。

はみ出そうが、筆ムラできようが、色を間違えようが、上から何度でも塗り直せます。

「それはエアブラシだってそうじゃない?」

と言われるかもしれませんが、失敗したこと自体が無駄にならないというべきでしょうか?

タッチで情報量勝手に増える

迷彩が見えてきた

筆塗りでは筆のタッチが残るので、それが情報量となってプラモの完成度を上げてくれます。

かっこよくしてくれるんです。

「失敗すればするほどカッコよくなる」って青春スポーツ漫画のようですが、筆塗りプラモは本当にカッコよくなるんだから不思議です。

美術的な専門用語では「情報量が増える」と表現します。

情報量が増えると人間は本能的にカッコよく感じるもので、筆塗りはどんどん情報量を増やしている作業なのです。

修正か味かわからない

筆塗りは偶然の産物が生まれる

筆塗りをしていない人が聞くと「え?何言ってんの?」と感じるかもしれません。

「筆塗りは筆ムラを作ってはいけない」

と言われますが、じつは私達筆塗り愛好者は、筆ムラは出来てもいいと思っているんですよ?

筆ムラで出来る塗膜の不均一さとか、はみ出しを修正して塗り重ねたところとか、

「これってミスなの?それとも狙った味なの?」

とわからないからです。

「均一で美しい塗面」を至上とするのは、実はエアブラシ利用者の感覚かもしれません。

細かい工作がいらない

筆塗りという方法で、どんどんプラモに情報量が増えていきますので、実は筆塗りモデラーってあまり細かい工作には苦労しません。

後で説明しますが、スジボリを極端に増やしたり、デカールを大量に貼ったりする必要がないのです。

予定変更自由自在

エアブラシはパーツごとに塗っていくのに対して、筆塗りは全体を見て塗っていくことが多いので、色が合わないとか、思ってたイメージじゃないとか、カッコ悪いとか、予定と変えたくなってきます。

そんなときでも、筆塗りなら自由自在に予定変更できます。

塗り直しが出来るということは、途中でプランを変えることも同じことです。

「これ、やーめた」

エアブラシだと?

エアブラシは薄くて美しくて均一な塗面を作れる素晴らしい道具ですが、エアブラシは筆塗りに対して次のような特徴があります。

失敗は失敗

ただキレイに塗ってただけ・・・ツマラナカッた

エアブラシ塗装では、はみ出しや塗り損ないやムラは絶対に避けなければいけませんよね。

カンペキに行われた理想の状態が誰の頭にもあって、それに近づけることを考えていると思います。

「マスキングを失敗してはいけない」

「塗料の濃さを間違ってはいけない」

「塗り方を間違ってはいけない」

失敗すると修正しなければいけませんが、その時点で100点満点ではなくなっています。

失敗は失敗でしかないのです。

均一な塗面で情報量が少ない

美しく均一な塗面は、ツルリとして情報量が少ないです。

「上手に塗れば塗るほど情報量が少なくなる」

逆に言えば、

「情報量を少なくするのが上手ということ」

なのがエアブラシ塗装です。

スジボリ?ディテールアップ?

スジボリしたりデカール貼ったり

プロモデラーさんが作った見事な見本作例が説明書に載っていますが、それでさえ何か物足りなく感じるから、みなさんそれぞれスジボリを追加したり、ディテールアップの工作をするわけですよね。

「これ、どれだけ時間かかってるんだろうなあ。すげえなあ」

と感じる超絶作例、あります。

本当に素晴らしくて、私などには到底出来ないものですが、もしかするとエアブラシを使うからあれだけやらないとカッコよくならないと言うのは極論過ぎますかね?

デカールも多用

同じように、情報量を増やすためにデカールも多く貼る傾向にあるのがエアブラシです。

スジボリでも何でも、とにかく情報量を増やしてカッコよくしたいから、とても時間と労力をかけていらっしゃるわけですね。

楽しくない筆塗り

「キレイに出来ましたね」というだけ

筆塗り大好きな私ですが、「好きではない筆塗り・楽しくない筆塗り」がありました。

それは、筆ムラを出さず、きれいな塗面で塗ろうとしたときです。

車やバイクを塗るときもそうでしたし、ガンプラでもそういう感じに仕上げようと思ったときです。

「筆塗りでエアブラシのような仕上がりにしたい」と思っちゃったんですね。

エアブラシが得意な仕上げ方を筆塗りでやろうというのは難しいことで、仮に出来たとしても、それはエアブラシに追いついただけに過ぎません。それでは単に、

「エアブラシがないから筆塗りで挑戦してみた」

という下位互換にしかすぎません。

小分けしたパーツを、筆ムラが出ないように丁寧に塗り重ねようとする、それでは筆塗りは難しいだけの大変な作業になってしまいます。

苦痛ですし、本末転倒。

筆塗りとエアブラシの最大の違い

ペタペタ、この時間が楽しい

筆塗りとエアブラシの最大の違いは、

  • エアブラシが減点法
  • 筆塗りは加点法

なことです。

失敗なく、修正なく、すべての工程をミスなく終わらせることが100点満点のエアブラシ。

失敗しても、修正しても、最終的にカッコよくなればいい、100点満点に近づけていくのが筆塗り。

私は趣味の時間にプラモデルを楽しんでいる以上、緊張感を感じつつミス無く終わらせたいエアブラシの作業感はやりたくないかな。

「この色塗ってみようか?」

「うーん、ダメだったからこっちの色を上から塗っちゃおう」

「お、塗り重ねた場所、いい感じに見えてきたぞ?」

と繰り返していく筆塗り塗装が、楽しくてしょうがない!

筆塗りモデラーなら読んでほしい本

どうしてこうなった?自分でも不明(笑)

最初に書きましたけど、「だから筆塗りのほうがエアブラシよりいい」なんていうつもりはサラサラないです。

ただ、筆塗りをするのなら、筆塗りの良さを意識して楽しんでほしいですし、「エアブラシに近づけようとするのはツマラナイですよ」と言いたいのです。

どちらにも長所と短所がありますし、楽しみ方は人それぞれですからね。

私の作っているプラモなんて、とても見本にならないレベルですが、これだけは自信を持って言えます。

「私にとってプラモデルは、筆塗りだからこそ楽しいものだ!」

ま、こんなこと書いてますが、もともとはデザイナーでありモデラーでもある横山宏先生の考えに共感して、実感しているだけなんです。

マシーネンクリーガーの生みの親です。

私なんて下手で説得力がないですが、ぜひ下の2冊の本、筆塗りモデラーなら読んで下さい。

超絶筆塗り作例が見れますし、塗り方がわかりますから。

何より、筆塗り塗装というものの考え方・楽しさを教えてくれます。

何度も何度も読み返してしまうスゴイ本ですよ。

個人的に「2」の108~109ページの迷彩塗装の方法はバイブルです。

おらプラ
おらプラ

こう塗りたい、でも出来ない(笑)