こんにちは、おらプラです。
初めてのレジンキット製作でダッカスを作っています。
前回はパーツチェックを行いまして、無事に全パーツ揃っていたのでいよいよ製作に入ります。
まずはパーツを切り出していきますが、プラモデルとはけっこう違う作業もあり、試行錯誤しながら進めていくことになります。
初めての人がきっとビビるのが、極太のゲートをどう処理するかだと思いますし、変形しているパーツをお湯で温めて正しい形に戻すということも、プラモデルでは経験できない作業です。
洗浄の順番について
レジンキットの製作手順で欠かせないものの一つに、「パーツを洗浄して離型剤を落とす」という作業があります。
詳しい洗浄方法についてはそのときに解説しますが、
- パーツ洗浄してからパーツを切り出す
- パーツ切り出し・磨き処理を終えてから洗浄する
という2つのパターンがあるようです。
「1」の良いところはパーツがランナーにつながっている場合に紛失しにくいということで、「2」の良いところは、どうせ磨いて粉だらけになるのでそれも含めてキレイに出来るということです。
私は「2」のほうが効率的だと思いましたので、洗浄は後回しにします。
レジンパーツの切り出し
それではいよいよパーツを切り出していきます。
プラモデルだと、説明書を見ながら必要なものから順番に切り出していくじゃないですか?
レジンキットの場合は違って、全パーツを一気に切り出し、全部を磨き、全部を洗浄というふうに進めていきます。
極太のゲートにビビる
初めてパーツを見たとき、私はビビりました。
「なんて太いゲートなんだ!これ本当にいらないところ?」
上の写真の赤いところはゲートで、不要な部分です。その下はパーツ(ダボピン)で切ってはいけないところです。
私もそうでしたが、1つキットを作る間に慣れてしまうので、判断はさほど難しいことではないと思いました。ただ、冷静に落ち着いて観察して、説明書の形を見ながら見極めることが大切です。
ゲートの太さが5mm以上ありますが、レジンはプラよりやわらかく切断が簡単で、ニッパーで簡単に切れました。あまり高級品を使うのはどうかと思いますが。
↑はダッカスの手の指です。パーツより太いゲートだし、無造作についてます。
えげつないゲートの付き方
上の写真を見てくださいよ。
スタビライザーのパーツですが、表から見える一番目立つ場所に付いているではないですか。
製造上の理由で、ここが一番いいから付いているのだと思いますが、初心者には嫌がらせにしか感じません(笑)
「裏側じゃ駄目なの~(泣)」
いや、わかるんですよ。裏側だと実は正確に削るのは難しくて、表側の平面のほうが削りやすいことは。「失敗した時に目立たない」なんていうのは前提として考えてないものなのでしょう。
あ、そうそう。レジンキット作ると、プラモデルやレジンを設計する人の考えが少しはわかるようになりました。作りながら製作者と会話してる感じ?
こんなゲートもあります。でもこういうのは実は楽で、大雑把に切り取っても見えない場所ですので、ノンプレッシャーです。
レジンパーツを切り出す注意点
あるパーツを例に、パーツの切り出し方を説明します。
結構いやらしいゲートの形状をしていて、おおむね、赤線の場所で分かれます。
こういうゲートをニッパーで一気に切り取ると、その反動でパーツのほうが割れたりしちゃうんです。
これはレジンキットだけじゃなくプラモでも一緒ですが、とくにレジンは割れやすいので、慎重にやったほうがベターでしょう。
ニッパーで少しずつゲートを小さくしていって・・・
十分に小さくなったら、そこでニッパー作業は終わりにします。
上手な人はもっと小さく出来ると思いますが、私は怖くてこの程度が精一杯。
あとはヤスリで慎重に形を見ながら削っていくことになります。
レジンをヤスリがけする感覚は、プラよりもやわらかくてどんどんヤスれます。
なので、大きめに残してヤスっても、それほど苦労はしませんので、初心者は安全マージンを大きめにとってニッパー作業をしたほうがいいと思います。
レジンをヤスる作業
これもまたあるパーツを例にして、ヤスリがけについて説明します。
これは足の爪先のパーツです。鋭く尖った先端に向けて、美しいラインが伸びていますね。
こういうところをヤスリがけするとき、私が注意したことがあります。それは、
「シャープなエッジを残すようにヤスらなきゃ」
ってことです。
レジンキットを手に取ると、どのエッジも素晴らしいシャープさで、
「あ、これはプラモとはちょっと違うレベルだ!」
と感じると思います。
そもそも、その造形を手に入れたくてお高いレジンキットを作るわけですから、このエッジを丸めてしまっては元も子もないですよね。
つまり、神ヤスなどのスポンジヤスリはなるべく使わず、平面が出るように、エッジが立つように、金属ヤスリやプレートヤスリなどの硬いヤスリを使ったほうがいいと思います。
まあ、技術レベルは人それぞれですから仕方がないとして、私なら私なりに、あなたはあなたなりに、ビシッとヤスリがけしたいものです。
あきらめて最初からやわらかヤスリを使うのは、もったいないかな~。
↑私はこれを愛用しています。タミヤのPROシリーズ半丸。早く削れるのに滑らかにヤスれるんですよね。
お湯につけて変形を戻す
レジンキットでは、本来真っ直ぐなはずのパーツが、曲がったり変形していることが結構あるようです。
今回のダッカスでは、剣がグニャリとなっていました。
「やっぱりあるのね」
ちなみにレジンキットではこれは不良品と言ってはいけない世界らしく、「自分で直せばいいじゃない」とみなさん考えるものだそうですよ。
これを治すには、お湯を使います。
私は紙コップに熱湯を注いで、そこに剣を突っ込みました。
すると、あっという間に剣がやわらかくなって、さらにグニャーっと曲がっていきました。
レジンは熱に弱くて、温めるとすぐにやわらかくなります。
その状態で整形して冷やせば、本来の形にすることができるというわけです。
今回はまっすぐにしたいので、重力方向に垂らしたまま、先っちょを少し引っ張ってまっすぐにしました。
形状記憶ではない
これは私だけかもしれないので書くのも恥ずかしいのですが、いちおう書いておきますね。
レジンパーツの修正は「温めると本来の形に戻る」ものではなく、「温めて自分で整形する」ものです。形状記憶合金のように、温めると元の形に戻ってくれるかもと期待していたのですが、間違いでした(笑)
レジンは直接茹でてはいけない
私は経験者ではないので、あくまでも私が参考にしたプロモデラーさんの意見です。
レジンキットを整形する時に、鍋でグツグツ煮るのはやりすぎだそうです。
まあ、実際今回やってみて、お湯で十分だったので正しいと私も実感しました。
鍋で煮るというレベルで温めてしまうと、直すべきところじゃない場所、つまり変形していないところがむしろ変形してしまう可能性があって、「お湯でも十分なんだから、それ以上余計なことするな」ということですね。
パーティングラインの処理
レジンパーツ(プラパーツも一緒だけど)には、必ずパーティングラインが付いています。
繊細なディテールが売りのレジンキットですから、パーティングラインを残したまま組み立てるようでは、もったいないですよね。
「パーティングラインは、ゲートを起点終点に一周必ず付いている」
ので、ゲートからどのようにパーツを一周しているか、よく観察してみましょう。
赤マジックで書いてみましたが、パーツのど真ん中を避けて、なるべく目立たないエッジに持ってきていたりしていてなかなか複雑でした。
「目立たない」ことは「見つけにくい」こととイコールで、老眼にはなかなか厳しかったですね。
透明レジンはとくに難しかったなあ。
「あれ、パーティングラインないぞ?(そんなわけない)」
見つけたのはいいとして、ヤスって消すわけですが、次はそれが完全に消えているかどうかがわからないわけですよ、老眼には。
若い人が羨ましい。
当然のように、消し忘れ・消し残しが発生してしまいましたが、それはサーフェイサーのときに発見できます。なるべく一発で消せたほうがいいのはあたりまえですが。
次回は
以上、全パーツの切り出し・ヤスリ磨きが終了しました。
プラモに比較するなら、これは部位ごとにパーツを接着して合わせ目を消し終わったところでしょう。
大変な作業でしたが、後から考えると「ここまでが一番大切で丁寧にやるべき」だと感じました。
このあとは、洗浄や軸打ちがちょっと特殊とはいえ、塗装に関してはプラモと変わらないからです。
次回もレジンキットならではの作業、パーツ洗浄をしていきます。