型抜きテーパー(抜き勾配)とは?
「型抜きテーパー」もしくは「抜き勾配」とは、プラスチックの射出成形をするときに、製造上の都合で仕方なく角度をつけて出来た斜面のことです。
「別にそんな細かいこと知らなくてもいいじゃない?」
という専門的(?)な話ですが、知っていると、
「ああ、ここは本当はこういう形にしたかったんだな?」
「じゃあ戻してやったほうがいいんだな?」
とわかってくるので、面白いともいえます。
プラモデル製造の避けられない弱点なのです
例えば上の図の左側のパーツを作りたいとしましょう。
そのパーツを作るための金型は右のようになります。
しかし、金型を上下に外す時に、垂直な面や角があると、金型にピッタリ密着してしまって外れにくいのです。
そこで、
- 垂直な面には少し角度をつけて斜面にし(先がすぼまる形に)
- 角を丸め
「本来作りたいパーツと形は変わってしまうけど、仕方がないよね」
とパーツ自体の形を変えてしまうのです。
プラモデルに限らず、樹脂の射出成形では避けることの出来ない、永遠の弱点なのです。
本来の形に戻してあげる
仕方なく出来てしまった型抜きテーパーは、ひと手間かけてあげることで、元の形(垂直面あり、角あり)に戻してあげることができます。
詳しくは面出し・エッジ出しをどうぞ。
【プラモデル基礎用語】面出し
「面出し」とは?
「面出し」とは、「平面を出す」ことです。
本来平面であるはずのパーツが、製造時のヒケやゆがみで、キチンとした平面になっていない場合があります。
例えば美しいボディが魅力のはずのカーモデルを作る時に、ボンネット...
【プラモデル基礎用語】エッジ出し
エッジ出しとは?
「エッジ」とは角のことですが、それを出すとはどういうことでしょうか?
プラモデルは製造上の都合で、「本来角であるべきところに、仕方なく丸みがついている」ことがあります。
その不要な丸みを、本来の角に戻...
型抜きテーパーを修正して本来の形に戻してあげるということは、つまり、プラモデルの製造に関する知識があるということですから、見る人が見れば、
「おっ、この人わかってるねえ。ちゃんとしてるじゃない!」
と評価されるようですよ。
おらプラ
私は他人を評価できるようなレベルじゃない(笑)