こんにちは、おらプラです。
初級者のみなさん、筆塗り塗装のときのマスキングで悩んでいませんか?
マスキングという作業自体が、難しくて面倒だと感じている人は多いと思います。
とくに、筆塗り塗装をする人にとっては難しいんじゃないかなと思います。
「丁寧にやったつもりなのに、モールドやテープのスキマからはみ出してしまった!」
泣く泣く、あとで修正しますよね。
私も同じように失敗していたのですが、上級者の方にある方法を教えてもらって、失敗が極端に少なくなりました。(それでもミスはある(恥))
とても簡単で、キレイに塗り分けが出来るようになりますので、ぜひ知ってもらいたいです。
マスキングテープを剥がしたときに現れる、はみ出しがなく、きれいに塗り分けられたライン!
あなたも出来ます。
マスキングについて
マスキングとは?
そもそもマスキングとは、塗装で色を塗り分けたいときに、塗料がついてほしくないところをテープなどで覆ってしまうことです。
塗装したあと、マスキングテープを剥がすと、そこだけは塗料がついていない状態になるという原理です。
筆塗り塗装のマスキングははみ出しやすい
マスキングはちゃんとやればキレイになる反面、とても難しい作業だと思います。
とくに、エアブラシやスプレー塗装よりも、筆塗りのマスキングははみ出しやすく難しいと言われます。
今回解説していくのは、
- どうして筆塗りのマスキングははみ出しやすいのか?
- 筆塗りのマスキングで失敗しない方法
です。
実際に実験もしておみせしますので、「初めて聞く」という方はぜひ読んでください。
どうして筆塗りのマスキングは失敗しやすいのか?
どうして筆塗り塗装のマスキングが難しいかというと、それは「塗料がはみ出しやすいから」です。
どうしてはみ出しやすいかというと、エアブラシ(スプレー)は霧状になった塗料を「薄く吹き付ける」のに対し、筆塗りの場合は塗料を液体として「置いて広げる」からです。
エアブラシでは塗料が流れるほど塗るようなことはしません(塗りすぎると失敗)ので、「流れない=スキマに流れ込まない」です。
筆塗りは、なるべく少ない量を置くとはいえ、液体である以上流れる危険があるのです。
さて、パーツの表面がツルッと滑らかであればいいのですが、たいていパーツ表面にはモールドやスジボリが施してあります。
そこにマスキングテープを貼るときに、毎回完璧にぴったり貼れるならば問題ありません。
でも、うまく抑えて密着させたつもりでも、どこかスキマが出るものなのです。
プロモデラーさんでも毎回すべて完璧にやるのは難しいらしいですよ。ましてや素人の我々では・・・
スキマがあると、塗料がそこに流れ込んでしまい、結果として「ついてはいけないところに色がつく」ので失敗となるわけです。
エアブラシ塗装の流れない性質ですと、多少スキマがあってもはみ出さない「程度」があるので、筆塗りのマスキングのほうがシビアということになります。
筆塗りのマスキングはクリアー塗装で解決
実際の効果はあとで見てもらうとして、答えを先に書きますと、
「塗装の前にクリアーを塗る」(マスキングテープとパーツの境界だけ)
ことで解決できます。
原理的には上の図を見てください。
マスキングテープとパーツの境界(つまり塗り分けたいライン)に、何でもいいからクリアー塗料を筆塗りするのです。
すると、本来ならばあとで塗料がはみ出すはずだったスキマを、クリアー塗料が事前にはみ出して塞いでしまい、防波堤となってくれるのです。
モールド、スジボリ、単純な貼りミス、なんでもカバーしてくれます。
先に塗ったクリアー塗料は見えませんので、きっちりシャープな塗り分けラインが出現するのです。
じっさいに実験で見てみましょう
それでは、実際にジャンクパーツを使った実験をしてみましたので見てください。
- 太めのモールドが走る飛行機の翼パーツで実験
- 通常のマスキングテープと、曲線用のマスキングテープ両方で実験
一方はクリアーを塗り、他方はクリアーなしです。
両方とも爪楊枝等でなぞったり、なるべくしっかりとパーツと密着させたつもりで行いました。
翼に帯状に塗装しますが、片方にだけクリアー塗料が塗ってあるのがわかるでしょうか?
クリアー塗料が乾いたら、黒を筆塗りで塗装しました。
なんかすでにモールドを流れている部分もありますね。
黒い帯の上が貼っただけ、下がクリアー塗装後です。
どうですか?効果バツグンですよね。
普通のマスキングテープの方で、一部はみ出しが見られますが、それでもかなり少なく抑えられていると思います。
「曲線用マスキングテープ+クリアー塗装」の方は完璧ですね。
モールドにも一切流れ込みが見られません。
ちなみに私は曲線用マスキングテープのほうが良い(ミスが少ない)とは思っていますが、ちゃんとやればどちらのマスキングテープも失敗しないはずです。(私が下手なだけ)
両者の違いは後述します。
筆塗りでのマスキングでやりたいこと
「事前のクリアー塗装によるスキマふさぎ」だけで、筆塗りのマスキング成功確率がかなり向上するのがわかってもらえたと思います。
それで十分だと言えますが、念の為、私がやっているその他のことも含めて書いておきます。
シャープな面を使うこと
マスキングテープは、そのまま貼ってはいけません。
一度デザインナイフでカットして、その面を使うようにしましょう。
理由は、一見シャープに見えるテープでも、側面はどのように歪んでいるかわからないからです。
これは、マスキングテープの使い方の基本の「き」ですので、必ずやるようにしましょう。
曲線用マスキングテープの利用
私は通常のマスキングテープと、曲線用マスキングテープを併用しています。
曲線用マスキングテープは、曲面に貼ってもスキマが出来にくいだけじゃなく、素材が紙じゃなくて、ナイロン製なのです。
貼ったときに「押さえつけが不十分で浮いている」場所が見分けやすいと思って使っています。
密着しているかどうかが見た目でわかるんです。
ただ、曲線用マスキングテープは割高ですし、(エアブラシと違って)大切なのは境界ラインだけですから、境界じゃない内部は普通のマスキングテープで塞いでます。
クリアー塗装でせき止める
そして最後は、今回解説したクリアー塗装です。
クリアー塗料に関しては何でもいいと思います。
私はファレホを使っていますので、マットバーニッシュ(つや消しクリアーコートみたいなもの)を筆塗りしてます。たまたま持っていただけですので、なくなったらクリアー買います。
あなたがお使いの塗料の、クリアーならOKです。
筆の動かし方にも注意
そうそう、塗装する時の筆の動きも、一応注意が必要です。
マスキングした境界ラインにそって動かしたり、パーツからマスキングテープの方へ向かって動かすのはダメと言われてます。
マスキングテープの上からパーツの方へ筆(塗料)を動かすのです。
これは「塗料をスキマに押し込むような動きにしないため」です。
クリアー塗装をすればほぼ防げますので、ここまでやらなくても大丈夫かと思いますが、よりセーフティにと考えるとこのほうがベターでしょう。
筆塗り塗装のマスキングで失敗しない
私は筆塗りしかしませんが、この方法を知ってからは、失敗が格段に減りました。
ときどき、クリアーの塗りが不十分だったり、塗り忘れた箇所があったりと、ミスはあります。
それでも、筆塗りをする方なら絶対やったほうがいいですよ。
まずは、不要パーツなどで実験してみてください。
マスキングテープを剥がした時の、あの天国と地獄。
天国へいらっしゃ~い。