こんにちは、おらプラです。
プラモデル作りをしていると、時々耳に入ってくる「油絵の具」。
子供の頃から馴染みのある水彩絵の具とは違うようですし、
「やっぱり油絵で使うものなんだよね?」
くらいしか、普通の人はわからないと思います。
私の印象も例にもれず、
「なんかゴテゴテした絵の具っていうイメージ?」
程度でした。
もちろん、自分が使うことなんて夢にも思っていなかったモノだったんですが、これがプラモ製作では結構便利でオンリーワンな塗料なんです。
油絵の具の特徴から、プラモデル製作における使い方を、簡単に説明します。
油絵の具にビビることはありません。
使ってみれば簡単で、便利で、独特の塗装表現が出来るようになりますよ。
初心者でも、やってみるべし!
私程度の使い方でも、世界が広がります。
油絵の具とは?
油絵の具とは、どのようなものなのでしょうか?
油絵で使う
油絵の具は、当然油絵で使います。
私達が子供の頃から馴染みのある水彩絵の具は、パレットの上で水で薄めて使っていました。
「絵の具」といえば「水彩絵の具」のことで、油絵の具って言われてもよくわかりません。
世界の有名な絵画が油絵なので、なんとなく、
専門家だけが使う難しいものなんでしょ?
と思っていますよね。
溶剤が特殊です
油絵の具は、水では薄めたり筆を洗ったり出来ません。
聞き慣れない専用の溶剤が必要になります。
ペトロール、ターペンタイン(テレピン)という油を使います。
乾燥がものすごく遅い
油絵の具は、乾燥するのがとっても遅いです。
パレットの上に出したまま何もしなくても、次の日でも余裕で使えます。
これは「乾燥待ちが長い」という短所でもありますし、「乾燥するまでじっくりといじることが出来る(=それを利用してウェザリングを行う)」という長所にもなります。
プラモデル製作における油絵の具の使い方
プラモデル製作において、油絵の具はどのように使うのでしょうか?
ウェザリングで使います
油絵の具は塗料ですから、もちろん通常の塗装にも使えます。
私はやったことはないですが、溶剤で薄めてそのまま塗るそうです。
でも、ほとんどの人が使うのは、汚し加工つまりウェザリングです。
ウェザリングといってもいろいろありますよね。
油絵の具は、塗装ハゲやキズなどを表現するのではなくて、主に塗装面の退色表現で使われます。
退色表現?
退色表現といっても、これまたいろいろな種類があると思います。
例えばですが、上の写真で本来緑色だったものが、日光や塩などの影響で色あせて、薄い緑色になっています。
またこのSLは、もともと黒だったはずなのに、色あせてグレーっぽくなっています。
こういう「色あせ」を「退色(褪色)」といって、プラモデルの塗装でそれを表現するのを退色表現というのです。
SLはただのグレーかといえばそうじゃなくて、黒のうえにグレーだけでも数色、茶色っぽいところや、青っぽいところがあります。
こういう「何色とも言えないような、複雑に色が絡み合ったもの」のをうまく表現できるのが、油絵の具なんですね。
ドッティング
油絵の具を使って退色表現をするときに、よく使われる手法が「ドッティング」というものです。
溶剤でボカしたり流したりしていく手法です。
油絵の具はとても粒子が細かいので、塗装面にいい感じに馴染んでいきます。
使用時間を経て、いろいろな色が混ざりあったような使用感になるんです。
(うまくやれば)さきほどのSLのような色になると思います。
油絵の具は乾燥が遅いと書きましたが、そのおかげで、このボカし作業をやれるわけです。
油絵の具とダンボール
油絵の具のパレットとして、ダンボールが使われます。
どうしてダンボールが良いのかというと、油絵の具の油分を吸い取ってくれるからだそうです。
上の写真でも、塗料からダンボールに液体が染み出しているのがわかると思います。
乾燥の遅い油絵の具から、少しでも油分を抜いて乾燥を早くする効果があるのです。
【私感】油絵の具は安物でOKです
さて、もしもこれから油絵の具を使ってみようと思った場合に、どんなものを買えばいいのでしょう?
私は格安で得体のしれないセットものを使っているのですが、その理由も書いていきます。
格安の安物セット売り
「油絵の具」で検索すると、通販サイトで出てくるメジャーなものは、「ホルベイン油絵具」という製品です。
20ml入りで、1色400~500円ほどです。
私が買ったのは、どこの馬の骨かもわからない(失礼)安物のセットでした。
1色12mlですが、なんと24色もセットになっています。
プラモデルのドッティングに使う色はだいたい5~7色で充分ですが、もしそれを一流品で買おうとすると、けっこうな金額になってしまいます。
このセットは1000円ちょっとなんですが、レビューを見ると同じようにプラモデルに使用している人も多く、
「これでいいんじゃない?」
と思ったのです。
量が必要ない
「1色の容量が少ないみたいだけど、大丈夫?」
と思いましたが、実際、油絵の具はほとんど減りません。
上の写真は戦車1台やったあとの使用後ですが、もともと出した量を比べると、いかに使わないかわかりますよね。
これでも出し過ぎだったみたいです。
この量でどのくらい使ったのか正確にはわかりませんが、たぶんあと100回は行けそう(笑)
ホルベインの20mlというのがいかに多いか・・・
使ってみて必要な色だけ高級品を
「違いの分かる人」には高級品と安物の違いはあるのでしょうが、ほとんど変わらないと思っていいです。
そもそも、油絵じゃなくてプラモですしね。
最初に格安セットを使ってみて、
- 今後もやってみたいと思って
- よく使う色がわかったら
- なくなった色だけ高級品で揃えていく
のがいいんじゃないかと思います。
油絵の具使ってみよう
私は初めて戦車のプラモデルを製作したときに、ドッティングをするために油絵の具を買いました。
下手なりになかなかいい感じの戦車に出来上がり、しかもドッティングの工程そのものがなかなか楽しいのです。
「これ、戦車以外でもガンプラとかでもいけるんじゃない?」
と今は思っています。
油絵の具に尻込みして使わなかったら、この世界には入れなかったのかなと思うと、
油絵の具挑戦してみてよかった
と感じています。
聞き慣れない名前や使い方にビビらず、初心者の人もやってみてください。
下手なウェザリングより、簡単確実に雰囲気あるプラモが出来上がります。