こんにちは、おらプラです。
「あっちこっちに手を出して・・・」
となにかと子供の頃から怒られてきましたが、プラモに関してもやっぱりそう。
プラモデル再開後、ガンプラにはじまり戦車とか飛行機とかバイクとか、たいして上達しないままに守備範囲だけは広げてきました。
そして今回は艦船模型をやってみたくなって、キットを買いました。
「初めて作るんだから、まずはキットそのままを組んでみて・・・」なんて手順を踏めばいいのでしょうが、やっぱりエッチングパーツとか張り線とか、一通りやってみたくなるじゃないですか?
タミヤの1/350雪風を、エッチングパーツてんこ盛り、張り線含めて、お腹いっぱいになるまでやってみました。
初心者でも艦船模型出来る!楽しめる!
艦船模型って難しい?
私は艦船模型は初めてですし、戦艦の知識もありません。
でも、動画で艦船模型の作例を観ていて、興味をひかれてしまたんです。
おおよそプラモデルとは思えないような、エッチングパーツによる超精密な細かい作り込みだったり、空中を渡す張り線から想像する、細かすぎる作業だったり、
「自分でもやってみたい! 完成したらすごいだろうな」
という誘惑が消えませんでした。
きっとほとんどのプラモデルファンが、
「艦船模型って別世界のように難しい」
と感じてません?
私はそうでした。
実際にやってみましたので、初心者でも作れるのか、どのように感じたか?正直な感想を書いてみます。
初めて艦船模型作ってみた
タミヤ1/350駆逐艦雪風
選んだキットは、初心者らしく(?)安心のタミヤさんです。
艦船模型って主に1/350と1/700という2つのスケールでラインナップされています。
私のような初心者は、
「最初は小さめの1/700で」
と考えるものですが、どうやらそうではなく、
「1/350という大きいスケールで、小さめの駆逐艦がいいよ」
とアドバイスされました。
そこでキットを探したのですが、なぜかどこのメーカーからも出ていて人気の「駆逐艦雪風」が目に止まったのです。
聞いたこともない名前で不思議だったのですが、この雪風という駆逐艦は、
「第二次大戦で最初から最後まで生き残った奇跡の幸運艦」
ということで、モデラーの間でも人気のようです。
インフィニティモデルのエッチングパーツフルセット使用
次にエッチングパーツを買ったのですが、私はインフィニティモデルというメーカーの駆逐艦雪風専用のセットを買いました。
エッチングパーツは、個別に出ているものを別々に買い揃えてもいいのですが、私のような初心者には、何をどれだけ買えばいいのかわかりません。
そこで、エッチングパーツと金属部品がすべてセットになっていたこれを買ったというわけです。
あとで詳しく書きますが、初心者ならこういうのを買うべきだと思いました。
「どこにどう取り付けるか」
が説明書でわかりやすいからです。
ちなみに雪風のキットが5000円程度なのに、エッチングパーツが10000円です。
エッチングパーツって高い・・・(泣)
スプレー塗装&筆塗り塗装
いつも筆塗りの私ですが、今回はスプレー缶で塗装しました。
艦船はほとんどが赤とグレーの2色で全体的に塗るだけなので、スプレーのほうがいいかなと思いました。
部分塗装も必要ですので、そこだけは少しだけファレホ筆塗りです。
覚えたての言葉を使わせてもらえば、リノリウムと木甲板などです(笑)
艦船模型の楽しかったところ
それでは、艦船模型を初めて作ってみて、楽しかったところをあげてみます。
船の構造がわかる
まずは模型全般の楽しみですが、模型を通じて現物の構造がわかるようになることです。
船の場合は、とくに普段接することのないものですから、面白かったですね。
例えば上の写真ですと、「人がどのハシゴを使ってどこへ行くことが出来るのか」がわかると思います。
船って結構段差があったり、入り組んだ構造をしているんですね。
個人的に面白かったのは、魚雷がどこに保管されていて、どうやって発射管に入れられるのかという構造とか、機雷がどのように海に投下されるかとか、そういうのが想像出来たところでしょうか。
超精巧な出来上がり
船って細かいなあ・・・と思っていましたが、作ってみると、
「思ってた以上に船って細かいなあ」
と感じました。
例えば主砲は、「なんか鉄の箱から砲塔が2、3本出てるだけ」と思ってましたが、グルリと手すり(?)が囲んでいたり、アンテナ立ってたり、扉も窓もたくさんあるんです。
言ってみれば大勢の人が出入りして作業している「1つの建物」みたいなものですもんね。
そんな「意識の修正」が船全体で感じられましたよ。
エッチングパーツってすごい!
エッチングパーツは、これまでもキット付属のものは何度か使ったことがありましたが、艦船模型はレベルが違いました。
部分的に追加するディテールアップというより、全部作り変えるようなものなのです。
作る作業は、根気と時間が必要でした。
「難しい」というより「疲れる」んです。
ただ、エッチングパーツに置き換えて見ると、それはそれは効果抜群でやりがいのある仕事なのでした。
構造物が透けている
「透ける?」と思われるかもしれませんが、エッチングパーツを多用した艦船模型は透けてます。
クリアパーツとかではなくて、何もなくて透けているんですよ!
手すりや、ハシゴや、鉄骨を組んだところなど、シルエットにすると向こう側が見えているんです。
この満足度はすごいですよ!
これがプラスチックだけだったら、艦橋とかは箱状に組んであるだけでしょうし、手すりはないし、ハシゴだってハシゴのような棒状のパーツだと思うんです。貫通していないといえばいいのかな?
「船って、甲板上にいろいろな建物が立ってる、海の上の工場みたいなものだな」
と思いました。
夕焼けの工場とか想像してください。
シルエットに浮かぶ姿って、ところどころ向こう側が透けてるじゃないですか。
(語彙がなく説明下手ですみません・・・伝われ!)
張り線に挑戦
初心者にとって、艦船模型の一番高いハードルと感じるのは、張り線(空中に渡された細いアンテナ線とかロープとかを再現するところ)だと思います。
「これが出来そうにないから艦船は作らない」
という人もいるのでは?
もちろん私も自信はありませんでしたが、まあ、なんとかなりましたし、やっぱりやったあとの達成感はすごいです。
私は今回、白いもの(旗を上げたりするロープと思われる)は伸ばしランナーで作り、黒くて細いアンテナ線(たぶん)は、メタルリギングという金属線を使いました。
前述のエッチングセットには、黒いナイロン線がセットされていたんですが、「初心者にはメタルリギングという金属線がいいよ」と教えてもらい、それを買いました。
上級者のようにはいきませんが、箱絵などを観ながら、しかもその中でやりやすそうな場所だけ選んで張りました。
プロの作る作例でも、人によって張り線も違っていたので、つまり「答えはないんだな」と気楽に出来ましたよ。
メタルリギングは、変な曲がりぐせがなく、重力で自然なたわみがつくので、初めて張り線をするなら絶対オススメです。
張りたい場所に「載せて」瞬着で固定していくだけ。
他の素材だとけっこう張り過ぎたり切れたりするらしいです。
なんとか出来たのは、このおかげだと思ってます。
艦船模型の難しかったところ
続いて、艦船模型の難しかったところをあげます。
大量に作るパーツが面倒
艦船模型は、同じものを何個も何十個も作る場合が多いようです。
機銃とか、ホースリールとか、空母だったら艦載機とか、これがとっても苦痛でした。
正直言って、面倒!
上級者さんでも同じらしく、例えば空母の艦載機などは、(やる気満々のうちに)一番最初に作ってしまう人もいるらしいですね。
最後に何十機も塗装すると適当になってしまうから、嫌な仕事は先に終わらせるってことでしょうか。
瞬着使いまくり
艦船模型では、エッチングパーツや金属部品をよく使いますから、当然瞬間接着剤をたくさん使います。
サラサラ系とゼリー状を使い分けて、硬化促進スプレーを使って、普段のプラモ作りとは作業工程が違ったなあ。
おかげで、瞬間接着剤の使い方は多少うまくなったように思います(笑)
これから艦船模型作る人へ
最後に、私初心者が初めて艦船模型を作ってみての感想を、これからつくる人の背中押しも兼ねて書いてみます。
エッチングパーツはセット物がおすすめ
エッチングパーツは、初めて作るなら絶対に専用のセット物をおすすめします。
1番の理由は、エッチングパーツがピッタリと収まること。
手すりの傾斜がジャストだったり、角度がつくべきところにちゃんと曲げやすい加工がしてあって、とても組みやすいのです。
2番めは、説明書があること。
初心者って船の構造を知らないので、どこに手すりをつけるべきとか、どこ使うパーツなのかわからないと思います。
「艦船模型汎用手すり」とか「〇〇式電探」とか別パーツで買っても、どこに付けて、どのプラパーツが不要になるのかわかりません。
セットものの説明書は、「キットの何番のパーツの代わりにこれを付けましょう」的な書き方ですので、両方の説明書を見比べながら作業していくだけでOKなんです。
セットものがすべてそうとはかぎりません。私はネットレビューで「インフィニティモデルは説明書が便利!」と見て、それを買いました。
根気さえあればいつかは出来る
私が一番誤解していたのは、艦船模型って実は難しくないってことです。
こう書くと「初心者がその出来で言うんじゃねえよ!」となりそうですが、ある程度の完成品を作るのに、特別な才能や技術はいらないと感じました。
- 合わせ目消しがシンプル
- 塗装はセオリーどおりでカラーセンスもいらない
- 可動部分もなく改造もしなくていい
船本体に、いろいろなパーツをただ接着していくだけで、立派な形に完成させられます。
きっと難しいのは、もっと深く追求して追加の工作をしていく場合の知識と技術だと思いました。
その深~い世界は、私には闇の向こうです。
艦船模型は「根気と慎重さを維持すれば、誰でも完成させられる」もので、「技術不足で完成させられなかった!」という類の大変さではないと思いましたよ。
スプレー塗装でいけますね
今回スプレー塗装でやりましたが、エアブラシを持っていない私でも大丈夫でした。
スプレーのサーフェイサーを吹きました。(エッチングパーツ使ったから吹きました)
スプレーだと細かい所に行き届かせるのは大変ですし、無理にすると塗料がボテッとなってしまいます。
そこで、サーフェイサーを吹いた後に、筆塗りで奥まったところを黒く塗っておきました。
そうすると、このあと塗装していくときに塗料がつかないところでも、影っぽくなるので、プラや金属が丸見えになりません。
艦船のグレーは、何種類か発売されています。
船を作った場所によって違っていて、それを再現するのは基本らしいです。
でも私は、プロモデラーさんがおすすめされていた方法、
「どの船も同じ塗り方でもいいですよ。最初に暗めのグレーで塗装して塗りつぶし、あとで明るめのグレーでやれば、ハイライトとシャドーになっていい感じになる」
というのを参考にしました。
- 最初に佐世保標準色で全体を塗りつぶし
- 次に塗料の当たりやすいところだけ呉標準色をスプレー
という手順です。
エアブラシを使えない私にとっては、スプレーと筆で塗装できるか不安でしたが、大丈夫でしたので、もしも同じ環境の方も、艦船模型ぜひやってみてください。
飾っての満足度は超高いよ!
艦船模型は、作るのも達成感ありましたが、飾っての満足度も高いです。
エッチングパーツや張り線を頑張った結果、それは他の人から見れば「おっ、すげえ!」ってなるポイントになります。
たしかに、私のように何もわからない人間でも、「よくわからないけど、なんか細かいな」と感心しますよ。
私のプラモ棚は、夕方に日が当たるのですが、夕陽の遮光線で艦船模型の凹凸が浮き出ますので、とっても格好良いですよ。
手前味噌ですが、惚れ惚れします(苦笑)
最初は1/350の駆逐艦がベスト!
これから艦船模型をつくる人は、きっと私と同じ考えをすると思います。
「まずは簡単そうな小さめの船、1/700作ってみよう!」
ところが、私が受けたアドバイスも、私の感想もそうなのですが、
「パーツが大きい1/350で、そのなかでは船自体が小さいもの・・・つまり駆逐艦がベスト」
とオススメすたいです。
スケールが大きいと、
- 個々のパーツが大きい
- その割にディテールがしっかり
- エッチングパーツの作業が比較的ラク
- 張り線も太め
でいいですよ。
それで、1/350駆逐艦は1/700巡洋艦ぐらいの大きさになるので、展示しての存在感も抜群で満足できるんです。
さらに、駆逐艦は主砲の他に魚雷発射管や機雷発射装置など、バリエーション豊かな構造をもっているので、今後の艦船模型のスタートを飾るにふさわしいと思います。
どのようなキットにしろ、エッチングパーツ有無にしろ、ぜひ伝えたいことがあります。
「艦船模型、食わず嫌いで難しいと思い込んでないで、一回作ってみて!楽しいよ!」
ではでは~。