こんにちは、おらプラです。
プラモデル製作で一番使われているメジャーな塗料は、ラッカー塗料だと思います。
私も最初はラッカー塗料が便利と思って、使っていました。
その理由は、
ラッカー塗料は一番塗膜が強くて、上から他の塗料を重ね塗りしやすいから
と本に書いてあったからです。
でも、使っているうちに、初心者である私は、疑問を感じてきたのです。
「ラッカー塗料の上から、ラッカー塗料は重ね塗りできないんじゃないのか?」
「筆塗りは薄く何度も重ね塗るのがコツと書いてあるのに、重ね塗り出来ないとダメじゃん?」
上級者のみなさん、笑わないでくださいね。
でも、初心者の方はきっと同じように感じると思うんです。
私だけじゃないはず・・・(たぶん)
初心者さん向けに、ラッカー塗料の特徴をまとめてみました。
これで初心者の方もラッカー塗料を理解できるはずと思います。
ラッカー塗装の重ね塗りの疑問
入門書などには、こう書いてあります。
「ラッカー塗料は下地としてベストで、上からエナメルや水性塗料を塗っても溶け出さない」
「ただし、ラッカー塗料は下のラッカー塗料を溶かすので注意しましょう」
いっぽう、塗装技術の項目では、
「筆塗りの塗装は、一度で仕上げるのではなくて、薄く何度も重ね塗ることでキレイに仕上がる」
とも書いてあります。
実際、まず薄く塗装して乾燥させ、2回目を重ね塗ろうとすると、1回目に塗った塗料が溶け出して、重ね塗りになっていないんです。
「あれ? どうすればいいんだ?」
「このままじゃいつまでたってもキレイにならないぞ?」
私はそこで、筆にたっぷりと塗料を含ませて、ベチャッと多めに塗料を塗ることで誤魔化しました。
ところが、当然塗膜はボテッと厚くなってしまうので、とっても見苦しい出来となりました。
初心者で同じ経験ある人は多いんじゃないでしょうか?
ラッカー塗装の上にラッカーは大丈夫?
それでは、ラッカー塗料の上にラッカー塗料を重ね塗るときはどうすればいいのでしょう?
上手に塗ると大丈夫だけど・・・
結果から言いますと、じつは「ラッカー塗料は上手に塗れば、下地が溶け出さない」のです。
コツとしては、筆にあまり多く塗料を含ませず、筆圧をかけず、そっと優しく塗料を置くように塗っていくのです。
そうすれば、下地のラッカーは溶け出さず、少しずつキレイな塗装面が作られていきます。
スプレー塗装(エアブラシも)は筆圧が加わらないので、下地が溶け出すことはあまりありません。
下地が溶け出す失敗「塗装が泣く」
私のような初心者は、ついつい早く塗装を仕上げたくて、多めの塗料でゴシゴシと塗ってしまうので失敗するんです。
いつまでたっても塗膜がキレイにならず、下地のプラが透けたように見えてしまうことを、
「塗装が泣く」
と表現するらしいです。
私はラッカー塗料を上手に塗る技術がなく、結果として、
「ラッカー塗料は使いにくい」
と感じていたのでした。
この特徴を逆手に取る、ラッカー塗料ならではの塗装があるんですが、これは後述します。
乾燥時間について
ラッカー塗料の重ね塗りについて、もう一つの疑問が乾燥時間です。
重ね塗りまでの時間は?
ラッカー塗料はとても乾燥が早くて、30分もすれば重ね塗りOKです。
塗装表面の濡れたような感じがなくなるので、慣れればわかるようになります。
乾燥していないのに重ね塗ってしまうと、下地の塗膜が壊されて、ガタガタに筆ムラが出来てしまいます。
乾燥時間長くても溶け出します
私は最初のころ、
「ラッカーの下地が溶け出してしまうのは、まだ乾燥していなかったから」
と勘違いしていました。
そこで、じゅうぶん長めに乾燥させてみたのですが、結果は同じでした。
それでわかったのです。
「ラッカー塗装が溶け出すのは、乾燥時間が長くても関係ない。要は塗り方が問題なんだ」
と。
ラッカー塗装重ね塗りの実験
ここで実際にプラ板にラッカー塗装をして、いろいろな状況を見ていただきたいと思います。
プラ板にラッカー塗料(ライトブルー)で塗装して乾燥させます。
その上から、違う色(ネイビーブルー)を塗ってみます。
私はヘタですので、ちょっと多めに塗料をつけて、塗膜が厚くなるのも構わず重ね塗りしました。
(このテストでは筆ムラもすごいし、塗膜もボテボテに厚いですが)上手な人はこういうふうにキレイに重ね塗り、塗り分けることが出来ます。
そこで、あえて筆圧を高くして、押し付けるように塗ってみますと、上の写真のようになります。
これは、下地(ライトブルー)が透けているというより、下地が溶け出してネイビーブルーと混ざり合った中間色で塗っているような状況です。
ちょっと色を変えて、黄色を塗ってみました。
最初のうちは下地が溶け出しているようには見えませんが・・・
「なんとか黄色をきれいにしよう」
と塗っているうちに、どんどん下地の色と混ざり合って、汚くなっていきます。
それもそのはず、下地の色が溶け出して、黄色と混ざり合っているわけです。
ティッシュで拭き取ると下地がなくなっているので、よくわかりますね。
下地が溶け出すからこその迷彩塗装
ラッカー塗装で下地が溶け出すことは、私のような初級者には難しい問題です。
塗装技術がないからです。
しかし、上手な人になると、
ラッカー塗装の下地を溶かすも溶かさないも自由自在
になるといいます。
先程、「塗装が泣く」という特徴を欠点として書きましたが、それは上級者にとっては長所でもあるのです。
たとえば迷彩塗装を例にしてみましょう。
ライトブルーの下地に、ネイビーブルーの迷彩模様を描くとします。
下地が溶け出さないように、チョンチョンと塗料を置いていきました。
ここで、ラッカーの特性を活かして、下地と上地の境界を混ぜて中間色でボカしていきます。
筆塗りで迷彩塗装のあのボヤッとした感じを表現するのは大変だと思いますが、ラッカーならこういう塗り方も出来るわけです。
ライトブルーとネイビーブルーの境界が、中間色になっていますよね。
まあ、私の技術ではこの程度ですが、上手な人はもっとキレイになるはずです。
「塗装を泣かしながら塗る」
という表現を使うことがありますが、基本はこういうことです。
下地を溶かして混ぜながら塗ることで、塗装に深みを表現するそうです。
ラッカー重ね塗りまとめ
以上、ラッカー塗装の重ね塗りについて書いてきましたのでまとめてみます。
- ラッカー塗料は上手に塗れば下地が溶け出さない
- 技術がないと下地を溶かしてしまうので、いつまでも色がキレイにならない
- 重ね塗りできるまでの乾燥時間は30分ほど
- ただし、完全乾燥しても溶け出すことは変わらない
- 下地を溶かすことは、欠点でもあり長所でもある
上級者にとっては、「いまさら何を言ってるんだ?」ということだと思いますが、きっと私のように悩んでいる人は多いのではと思って書きました。
ラッカー塗料は一番メジャーなプラモデル用塗料です。
慣れて使いこなせれば、とても便利だと思います。
初心者の皆さん、ラッカー塗料をがんばって使いこなしてください。
私は臭いがダメで水性塗料に移行しましたので、今でもラッカーをうまく塗る技術はないままです。