こんにちは、おらプラです。
プラモデルを作っている人だけにしか通用しない、不思議な言葉があります。
それは「ムニュ」です。
「ムニュってなんなの?」
と聞かれても、プラモ作ったことのある人ならわかるし、わからない人には説明しても伝わりませんよね。
パーツを接着して、合わせ目を消すときに、重要な働きをする「ムニュ」ですが、
なぜかムニュが出ないときがあって困るんだよな~
という経験ありません?
今回は、その理由を説明したいと思います。
ムニュができる仕組みから、接着~合わせ目消しのメカニズムをまず簡単に説明しますので、これから合わせ目消しをする初心者でも大丈夫。
確実に「ムニュ」を出せるようになる、つまり、合わせ目消しの失敗が減ると思います。
接着で大切な「ムニュ」
「ムニュ」は溶けたプラ
「ムニュ」とは、接着剤によって溶けたプラが、押し付けられた時に飛び出たところです。
プラモデルの接着剤はパーツのプラを溶かす成分を持っていて、
溶けたプラがパーツ同士を一体化させることで接着する
のです。
合わせ目消しに必要なんです
パーツ同士の接着あと、つまり合わせ目が残っていると、その後塗装をしたときにもずっと見えてしまいます。
そうすると、作品の完成度を一気に低下しちゃいます。
そこでみんな、ヤスリなどで削って合わせ目を消すのですが、その時に「ムニュ」が必要になるのです。
今回は、
「いつも同じようにムニュを作って合わせ目消しをしているのに、時々ムニュが出ない場合があって困る」
という問題の、原因究明についてが本題です。
でもその前に、初心者の方向けに、接着と合わせ目消しのメカニズムを簡単に説明します。
接着と合わせ目消しの仕組み
パーツを接着する時、まずは両方のパーツに接着剤を塗ります。
プラに塗られた接着剤は、パーツの表面を溶かして柔らかくします。
接着剤を塗ってすぐにくっつけても、まだプラが溶けていないので、ムニュが出来ず、つまり合わせ目消しがうまくいきません。
少し待って、パーツの表面が溶けてきたら、パーツ同士を合わせてギュッと押し付けます。
圧迫された柔らかいプラは、ムニュッと飛び出してきます。
これがその名の通り「ムニュ」というわけです。
「ムニュ」以外に呼び方が思い浮かびません。ムニュはムニュなんです。ムニュで日本中で通用するはずですよ
このムニュがまた固まることで、2つのパーツが完全に一体化します。
完全に乾燥したら、飛び出た余分なムニュをヤスって平らにすることで、合わせ目消しが完了となります。
もしもこのムニュが出ていなかった場合、パーツ同士の間に隙間が出来たり、パーツ同士が一体化していないので、合わせ目消しが出来ないということになります。
いつも同じようにやってるのに「ムニュ」が出ない?
ところが、
- 接着剤を塗って
- プラが溶けるのを待って
- パーツを押し付けて
- 完全に乾燥するのを待ってからヤスる
ということを、いつもどおりにやっていたのに、
「なぜかここだけムニュが出ていなくて、仕方なくあとでパテで埋めて合わせ目を消した・・・」
ということがあるから困るんです。
「あれ?うまくいかなかった?なんで?」
と思いつつ、自分のミスだと思ってきました。
接着剤が染み込んでしまうから
プロモデラーさんが動画で教えてくれた
ところが、動画でプロモデラーさんのお話を聞いて、「そういうことか」と原因が判明しました。
それは、
プラに塗った接着剤が染み込んでいってしまって、パーツ表面を十分に溶かさないから
だったのです。
「プラスティックに接着剤が染み込む?」
と思うかもしれません。
でも、実際にやってみると、たしかにそうなのです。
実験してみましたよ
さっそく、手元にあったジャンクパーツに、接着剤を塗って試してみました。
通常は、接着剤を塗ると上の写真のようになります。
少し時間を置いても、表面張力で盛り上がった接着剤の成分が、そのままの状態で残っているはずです。
言葉で説明しても分かりづらいので、他のジャンクパーツにどんどん試していって、なんとか「その現象」が起きるまでやってみますね。
パーツを無駄にすること6つ目で、ようやく現れました。
拡大すると・・・
他のところが接着剤が残っているのに比べて、赤丸の部分は接着剤が無くなってしまっていますよね?
同じような量の接着剤を塗ったはずなのに?
これがどうやら、「接着剤がプラに染み込んでしまった」という状況らしいです。
接着剤が染み込んでしまった場所では、プラが十分に溶かされていません。
すると、パーツ同士を押し付けた時にも、
ムニュがそこだけ飛び出てこない
ことになるんです。
気づかずにヤスると、
他の場所は合わせ目が消えたのに、なぜかそこだけうまく消えなかった
ということになるわけです。
これが、
『同じように接着剤を塗ったのに、ムニュが出ないときがあって合わせ目が消せなかった』
という現象の原因です。
ちなみに、プラモデラーさんがおっしゃるには、
染み込んでしまうプラがどういうプラかは、わからない
ということでした。
不規則で予想がつかないから困りますよね。
解決法
解決法というか、対処法を。
一度接着剤を塗ってから、少し時間を置いてプラが溶けるのを待ちますが、そのときにパーツを観察する癖をつけることですね。
パーツを押し付ける前に、もしもそこで接着剤が染み込んでいるところを見つけたら、もう一度接着剤を足してやればいいだけです。
私が意識して観察し始めてから、
「一度染み込んだところには、その後はあまり染み込んでいかない」
と感じました。
つまり、染み込んでしまったところに接着剤を追加すれば、それで大丈夫ということです。
まとめ
接着剤を同じように塗っても、染み込んでしまうプラが存在することを知っておきましょう。
パーツを接着する前に、一度観察する癖をつければ、失敗がなくなります。
対策は接着剤をもう一度足すこと。
これで、ムニュが出るときと出ないときが原因で、合わせ目消しがうまく行かないことがなくなると思います。
「ムニュ」を確実に出すことは、リカバリーのための余計な時間や道具をかけないことに繋がります。
プラモ製作がよりスムーズにいくのではないでしょうか?
⬇じつはこういうドロッとした接着剤には、最初からプラ成分が混ざっているらしいですよ。