こんにちは、おらプラです。
水性塗料ファレホを使っていますが、ある日気になる情報を耳にしました。
「デカール柔軟剤はファレホを溶かしてしまう」
というのです。
「え?今まで気にならなかったけど・・・?」
と思いましたが、実験してみればハッキリとするのでやってみました。
結果は簡単に出ましたが、答えは2通りと言えそうです。
デカール柔軟剤はファレホを溶かす?
プラモデルにデカールを貼る時に、密着度を上げるために使う液体があります。
デカール接着剤とデカール軟化剤です。
これらは製品名ではなくて、役割の名前です。
製品としては、クレオスのマークセッター&マークソフター、タミヤのデカールのり&マークフィット、ということになります。
さて、ここで問題になるのがデカール軟化剤で、
「デカールを柔らかくする成分が、水性塗料を溶かしてしまうのではないか」
というんですよね。
ネットで調べるより、実験で簡単にわかることなので、自分でやってみることにしたのです。
マークセッターとマークソフターで実験
私はクレオスのマークセッターとマークソフターを使っています。
2つの用途や使い方などは⬇でどうぞ。
マークセッターは「接着剤」、マークソフターは「軟化剤」と単純ならいいのですが、じつはマークセッターにも軟化剤が混ざっているんですね。
そこで、両方とも実験でテストしてみます。
ちなみにクレオスとタミヤの各製品の早見表です。
タミヤの「デカールのり」は、軟化剤成分を含むものと含まないもの、2種類発売されています。
クレオス製品 | マークセッター | マークソフター |
接着剤 | ○ | × |
軟化剤 | 少量 | ○ |
タミヤ製品 | デカールのり | マークフィット |
接着剤 | ○ | × |
軟化剤 | アリとナシ | ○ |
実験開始!
実験方法
プラ板にファレホを適当に塗って、しっかりと乾燥させました。
そのテストピースの上に、マークセッターとマークソフターをそれぞれ塗ります。
塗ると言っても、弾いてしまうので、上の写真のように玉になってますが。
1分ほど待ってから、綿棒で上からこすってみました。
実際のデカール貼り作業では、綿棒や筆で優しく水分を吸い取るので、こすることはありません。
でも、今回は少し力を入れて、あえてやってみました。
実験結果その1
まずマークセッターのほうをやってみると、塗装面の見た目は変わりませんが、綿棒に少しだけ色が落ちていますね。
これは、少しは溶けているということになります。
続けてマークソフターのほうをやってみると、先程より少しだけ濃く色が付きました。
2つを比較するとこんな感じです。
どちらも多少色が落ちていますが、ほんの少しマークソフターのほうが色落ちが大きいようです。
「デカール軟化剤の量に比例しているのかな?」
と思います。
マークセッターのほうの塗面の様子を観察してみると、多少濡れたようになっていますが、ほとんど変化はないと言っていいでしょう。
マークソフターの方の塗面を見ると、写真では少しだけ塗面が荒れたように見えるのですが、実際に見た感じでは乾くとほとんど変化がなかったです。
今回はこすりましたが、もしこれが実際のデカール貼り作業だったら・・・おそらく見た目の変化はないのではと思います。
さらに実験
そこで次は、もう一度マークソフターを付けて、溶けるまでこすってみることにしました。
キュッキュッと音が出るほど強く往復させてこすってみます。
すると、ファレホの塗面が一気に溶けて、プラ板が見えてしまいました。
うーん、これは間違いなくデカール軟化剤がファレホを溶かすという証拠になります。
「擦る力が弱ければ大丈夫だけど、強く擦ると溶けてしまう」
という結果になりました。
結論「デカール柔軟剤VSファレホ」
実験の結果、デカール柔軟剤はファレホの塗面を溶かすことがわかりました。
ただ、ここで考えたいのは、
実際にデカールを貼る時は、塗ってすぐに拭き取るし、擦り付けることもない
という事実です。
「デカール軟化剤はファレホの塗装を溶かすの?」
と聞かれれば、答えはYESです。
「じゃあ、デカール軟化剤はファレホの塗装に使えないね?」
と聞かれれば、答えはNOです。
これが私の結論です。
対策
私はこれまで通りマークセッターとマークソフターを使っていくつもりです。
今までも溶けて困ることはなかったですし・・・。
ただ、溶かしてしまう可能性があることは頭においておくべきですね。
もしも対策をするならば・・・
- タミヤのデカールのり(軟化剤なしタイプ)を使う
- デカールの前にトップコートをする
- 塗ったまま放置しない(時間によって溶けるかもしれないので)
ということになるでしょうか。
デカール軟化剤はファレホの塗装を溶かすのか?
人によって答えが違う理由がわかったような気がします。
厳密に言えば溶けるけど、実際の作業ではまず溶けない
ということなのです。