こんにちは、おらプラです。
はじめてのカーモデル挑戦でフィアット500を作っています。
前回はモールドをまたぐデカールの処理をやり、次はいよいよ、
デカールの段差を無くしてボディをピカピカに研ぎ出す
ことに挑戦です。
カーモデラーにとっては、ボディに貼ったデカールが段差になっているのはかなり許せないポイントだそうで、みなさんが一番気を使うところなのです。
デカールの段差を無くして、さらにボディをピカピカに磨き込む行程を初級者目線で解説します。
デカールの段差をなくす基本原理
実際にデカールの段差をなくす手順を解説する前に、簡単な図で概略図を作ってみました。
デカールの段差がどうやってなくなるのか、おおまかに理解して作業の様子を見てください。
私も初挑戦ですので、上級者に比べるとアラが目立つと思いますが、そのへんはお許しを。
「はじめてでも手順どおりにやれば、これくらいにはなる」くらいに思ってください。
デカールの段差を消す手順
現状、塗装したボディの上にデカールを貼った状態です。
デカールは多少なりとも必ず厚みがあるので、ボディの塗装面とは段差ができてしまっています。
これは仕方がないことですが、これを無くしたいのがカーモデラーというわけです。
クリア層を作る・クリアを吹く
まず最初に、光沢クリアを吹き付けてクリア層を作ります。
ここでいちばん大切なのは、デカールの厚みよりも暑い層を作ることです。
もしもデカールよりクリア層のほうが薄いと、ヤスリをかけていくとデカールを傷つけてしまうからです。(図参照)
クリア層を越えて下地やデカールをヤスッてしまうことを「剥(む)いてしまう」と表現したりします。
あと、私がいつも使っているような水性クリアではダメだそうです。
水性クリアの塗膜は軟らかくて磨きに耐えられないからです。
じっくり乾燥させる
クリア層は厚く作りたいので、何度か繰り返して重ねていきます。
コツとしては、一気に厚くしようとすると垂れたり溜まったりする(スプレー塗装と同じ)ので、短い乾燥時間を挟みつつ厚塗りしていかねばいけません。
そして「十分厚くなったかな?」と思ったら、1度完全乾燥させます。
この完全乾燥というのが曲者で、15分も待てば手で触れるラッカー系クリアでも、完全乾燥するには最低1週間できれば2週間くらい待たねばならないのです。
つまり、長い間ボディは放置することになります。
その間に、多くの人はシャーシや室内などを作っていくことになるでしょう。
2回前にシャーシ部分の製作記事を上げていますが、それはボディの作業の合間合間にやっていることになります。
ヤスって平らにする
クリア層が完全乾燥したら、次にヤスリ等で平らにしていきます。
一般的に1500番ぐらいから始めます。
このとき一番注意しなければいけないのが「絶対に力を加えないこと」です。
ヤスリ作業は根気との勝負になりますので、ついつい力を入れて「早く削れないかな?」と思いがちです。(私はそう)
ですが、ヤスリはかるーく押さえる程度にして、時間をかけて削っていくことが重要です。
どうして力を加えてはいけないのか?
- 力を加えると番手以上の大きめのキズがつきやすいから
- ヤスリたくない場所をヤスってしまう恐れがあるから
- クリア層を薄くしすぎたりデカールを傷める恐れがあるから
です。
やさしく、様子を見ながら、ゆっくりとやりましょう!
下の方で、一部失敗した悪い例をお見せしますので、お楽しみ(?)に。
クリア層はツヤツヤですが、ヤスリを掛けると削れてツヤがなくなっていきます。
そのおかげで、デカールの部分の段差が浮き彫りになりますし、クリア層の凹凸も見えてくるようになります。
全面が均一なつや消し面になるまで、じっくりとやります。
千里の道も一歩から・・・じゃないですが、永遠に続くかと思われたヤスリがけも、いつかはちゃんと完了するんですね。
がんばってよかったと、報われる瞬間です。
さて、デカールの段差がなくなったら、その後は全体的に磨いていく、つまり「研ぎ出し」になります。
しかし、私のように経験があまりない方、はじめての方は、このときクリア層がどれくらい残っているのかわからないと思います。
ですから・・・
(場合により)クリア層を重ねる
慣れないうちは、これからもう一度クリアを掛けたほうがいいと思います。
厳密には完成時のクリア層は薄ければ薄いほどいいわけですが、それはもっと慣れた上級者のレベルですので、はじめのうちは、
「完成時のクリア層の厚みを気にするより、万が一にも下地やデカールを傷めない」
ことを重視するべきだ思います。
デカールは1度段差を消していますので、今後磨いていく時にデカールが傷む可能性は低くなります。(最初の概略図参照)
もちろん、また完全乾燥させなければいけないので、1週間以上待つことになってしまいますが。
ピカピカに研ぎ出し
上の写真は2度目のクリア掛けが終わったところですが、1度目と違うのは、デカールの段差がないことです。違うでしょ?
ここからまたじっくりと磨いていく「研ぎ出し」に入ります。
ヤスリがけ(1500番~)
1度目と同じように1500番からヤスリます。
このとき、水をつけるかつけないか、双方いらっしゃいますが、どちらでも大丈夫です。
私は水をつけながらやったほうが、滑らかにヤスれたり目詰まりしにくいような気がするので、つける派です。
今回はピカピカになるまで続けるのですが、今回は、
1500番➡3000番➡コンパウンド細め➡コンパウンド仕上げ目
という順序でやっていきます。ごく一般的な手順だと思います。
1回目はデカール周辺だけでしたが、今回はボディ全体をやっていかなくてはいけません。
水をつけながらヤスッていると、研ぎ汁が泡立つように出てきますが、時々洗い流しながらとにかくヤスリ続けます。
全体的にツヤがなくなってきましたが、ライト周りなど、まだツヤが残っていますね。
1500番で1度全体のツヤがなくなりますが、3000番でやると逆に少しずつツヤが出てきます。
このまま例えば5000番、10000番と進めていくのも方法だと思いますが、どうせコンパウンドで磨き込むので、ある程度の番手でヤスリは終えて、移行するのがいいと思います。
コンパウンドでみがく
コンパウンドはタミヤの「細目」と「仕上げ目」を準備しました。
コンパウンドは「柔らかい布で磨く」でのですが、身近にメガネ拭きがたくさんあったのでそれを使いました。
コンパウンドは研ぎ粉が含まれたクリームですが、紙ヤスリよりも一気にツヤが出てくるように感じました。
番手が同じなら、ヤスリでもコンパウンドでも同じはずですが「仕上げはコンパウンド」だと実感しました。
磨くうちに、ツヤツヤになったボディに風景が映り込むようになってくるので、激しくモチベーションをプッシュしてきます。
私はここで終わりましたが、もっとこだわる場合は、更に細かいコンパウンドを使ったり、ワックスがけをしたりして磨くようですよ。ここでは触れません。
コンパウンドをかけると、モールドなどにカスが溜まってしまいます。
掃除しなければいけませんが、水で洗うのが手っ取り早くて確実です。
以上、デカールの段差を消してボディを研ぎ出しで磨く手順を見てきました。
正直まだまだ甘いはずで、もっとピッカピカに仕上げる人も多いと思います。
私としては今回はこれで大満足です。
実際やってみて思いました。
「これまで経験したツヤツヤと、カーモデルのツヤツヤは違うんだな」
研ぎ出し注意書き
ここでデカールの段差消し、研ぎ出しに関して、注意点を書き出してまとめておきます。
水性クリアはダメ
水性クリアは塗膜が軟らかくて研ぎ出しには不向きです。
必ずラッカー系クリアを使うこと。
乾燥は完全に
重ね吹きするときは短時間で重ねてもいいですが、ヤスリがけをする前にはか完全乾燥が必須です。
最低1週間です。
水はつけてもつけなくてもいい
研ぎ出しの水はつけてもつけなくてもいいです。
力は入れない
番手が粗いときから仕上げまで、全体を通して「力は入れない」こと。
余計なキズをつけたり、ヤスリすぎを生む原因になります。
エッジは削れやすいので注意する
広い面はいいのですが、細かい段差やエッジがある場合、そこにヤスリが強く当たってしまい、結果下地を傷めてしまう失敗があります。
私は今回やってしまって痛い目にあったのですが、恥をさらしましょう。
ボンネットの上部の凸部のエッジ、ヤスリが当たってしまっていたらしく、気付いたときにはクリア層の下の塗装まで削れてしまっていました。
グレーに見えてるでしょ?
全部やり直すことも無理、リカバリーも自信がないので、このまま完成させます。
みなさん、ご注意を!
研ぎ出しの番手
研ぎ出しの番手は、1500番ぐりから初めて、3000番ぐらいまで進めれば大丈夫です。
中に2000番を挟んだり、もっと細かい番手まで進めても、もちろん問題はありません。
自分なりに最適な方法を見つければいいと思います。
ウレタンを使う上級者も
実はラッカークリアでは十分なクリア層の厚みやツヤが得られないと感じる上級者もいるらしく、そういう人はウレタンクリアを使うそうですよ。
ウレタンは健康上の問題もあるようなので、使いたい方は注意してください。
次は完成です
これでカーモデルの最重要にして最難関、ボディの仕上げが終わりました。
次回は残りを組み立てて完成です。
私が作ったカーモデル1号車、失敗もあるけどなんとか完成~!