こんにちは、おらプラです。
プラモデルを作り始めて最初の頃というのは、わからないことばかりありますよね。
今のキットはとても親切なので、普通に組み立てるだけなら迷わないかもしれませんが、少しずつ手を加えていく、たとえばスミイレしたり部分塗装したりするようになると、疑問が出てきます。
とくに、プラモデルの作業は『順番』を間違えるとたいへんなものがあって、それは初心者の方にはわかりにくいと思うんです。
今回はその中から1つ「スミ入れとデカールの順番」について解説したいと思います。
正解わかりますか?
逆にするとダメな理由を実例でお見せしますので、気を付けてくださいね。
スミ入れはデカールより先に!
ずばり、デカールを貼るより先にスミ入れしましょう!
例えばガンプラを作り始めて、最初は説明書どおり組み立ててデカールを貼るだけです。
その次に一番最初に追加するようになるテクニックが『スミ入れ』です。
ところがそのとき、素組みしてデカールを貼ったものにスミ入れするのではなくて、デカールを貼る前にスミ入れしたほうがいいのです。
順番が入れ替わってしまうんですよ。そこが初心者には分かりづらいポイントですし、失敗のもとになってしまうのです。
「そう言われるけど、じゃあ逆にするとなにがダメなの?」
と疑問に思うのではないでしょうか。
トップコートとか他の作業を追加する場合、この順序が絶対とは言えないのも事実です。そこがまたヤヤコシイ。でも初心者はまずこう覚えるのがいいですよ!応用はまた後で考えればいいので。
デカールとスミ入れを逆にした失敗例
論より証拠といいますか、実際にデカールとスミ入れを逆にしてしまうとどうなるのか、実験してみてみましょう。
プラ板にスジボリします
同実験するのがわかりやすいか考えたのですが、まずプラ板に2本のスジボリを彫ってみました。
ちなみに細さは0.15mmで、定規をあててまっすぐ引いています。
デカール貼ります
そこに、スジボリの上からデカールを貼ります。
デカールは2種類で「ガンプラに付属のデカール」と「水転写式デカール」です。
ガンプラ製作で使うのはほぼ100%この2種類といっていいので、両方の場合を見てみましょう。
ガンプラに付属のデカールは、台紙からピンセット等で剥がして貼る場所に押し付けるだけの簡単なもの。
一般的なシールですが、余白が白っぽい透明なので目立ちにくくなってます。
こちらはプラモデルではよく使う水転写式デカールです。
水につけると台紙から外れ、貼る場所に持っていって水分を拭き取ることで貼れます。
余白がほぼ透明でガンプラ付属のデカールより目立ちません。
上のものは別売りのガンダムデカールというもので、よりカッコよく作りたい人向けに発売されています。
「ちょっと難しいけど、そのぶん余白が目立たずカッコよく仕上がる」
ので、そのうち挑戦してみてください。
水転写式デカールも、同じようにもう1本のスジボリの上に貼りました。これも2枚貼ってあります。
これで実験の準備はできました。
スミ入れします
それではスミ入れしてどうなるか見てみましょう。
まずはガンプラ付属のデカールのほう。
スミ入れをすると、スジボリに黒い塗料が流れていくのはいいのですが、デカールの余白部分のところではみ出して、余白にそって広がって、にじんでしまっています。
それでは次にお隣のスジボリ、水転写式デカールのほうもやってみましょう。
こちらも同じで、余白の部分にそって塗料がにじんでしまいました。
スミ入れ塗料は毛細管現象を利用した塗料で、細い場所や段差のようなところにそって、流れてしまう性質があります。
これは便利な半面、弱点にもなるわけです。
今回の現象を説明しますと、スミ入れ塗料がスジボリにそって流れてきたのに、デカールの余白とプラ板に段差があって、そこでも毛細管現象が発生してしまうので、結果「スジボリにも流れるけどデカールの余白にも流れてしまう」ということになったのです。
そしてそれがどういうことになるかというと、
「目立たせたくない(できれば極力透明にしたい)デカールの余白部分が浮き彫りになってしまう。つまり、デカールをここに貼りましたとバレてしまう。イコール、プラモデルの完成度がガタ落ち」
となるのです。
補足。実際は・・・
この実験では、わざとスジボリの上にデカールを貼っています。
実際はスジボリとデカールは重ならないことも多いでしょう。
でも、なにかの拍子にスミ入れ塗料がデカールのほうへはみ出すと、それが今回の実験のような事件になってしまうので、注意が必要なのです。
まとめ
以上、おわかりいただけたでしょうか?
ガンダムにしろ戦車にしろ、実物ではデカールなんて貼っていません。
全部塗装です。
そこには「余白」なんて無いはずなんです。
プラモデルでは書くのが難しいから、印刷されたデカールを貼っているわけですが、つまり、デカールの余白は絶対に目立ってはいけないのです。
余白がある=なにかを貼った=本物っぽくない
となってしまっては、せっかくの作品が悲しいでしょう。つまり・・・
デカールの余白を目立たせてしまう可能性があるので、デカールはスミ入れした後に貼りましょう
とアドバイスされるわけです。