こんにちは、おらプラです。
初めて戦車プラモを作るときに、実は驚いたのが履帯(りたい・キャタピラのこと)についてです。
子供の頃の記憶では、履帯はビヨンビヨンのゴムバンドみたいなもので出来ていたので、車輪に巻きつけるだけで完成でした。
ところが最近のキットはすべてプラスチックで成形されていて、組み立てもとても面倒で複雑でした。
どうやらそれが「連結履帯」と呼ばれるもので、昔作っていたものは「ゴム履帯(バンド履帯)」というものらしいと、いくつかキットを作ってからわかったのでした。
戦車模型を作った経験者なら当たり前の知識だと思うのですが、初めて戦車模型を作ろうという人は、きっと戸惑うと思います。
連結履帯が難しいから、じゃあゴム履帯のほうが優れているのかと言えばそうではなく、当然長所もあれば短所もありますし。
初めて戦車模型を作ろう、買おうと思っている人が、キットを選ぶときに参考になればと思って、
「履帯の種類とそれぞれの長所短所」
をまとめてみました。
戦車プラモの難易度とか仕上がりを、一番左右するのが履帯の種類だと思いますので、あなたにあった履帯を選ぶ、つまりあったキットを選んで楽しんでください。
戦車プラモの履帯の種類
戦車模型の履帯は、大きく3つの種類に分けられます。
詳しい解説は後回しにして、まずは種類分けだけを紹介します。
ゴム履帯
ゴムのような軟らかくて弾力のある材質で出来たものを、ゴム履帯と言います。
1本のゴムベルトのようなもので、1箇所を接着して繋ぐことで輪っかになります。
連結履帯
プラモキットと同じ材質で、大量のパーツに別れているものを連結して接着することで履帯になるものを、連結履帯といいます。
「履帯も戦車キットの一部なんだから、全部プラパーツで構成するのは当たり前でしょ」
という感じですね。
その他
ほとんどのキットは上記2つのどちらかだと思うのですが、リアルさにこだわる上級者向けに、金属パーツで出来た履帯もあります。(可動式)金属履帯といいます。
すべてのコマがバラバラで、ピンで繋げていく。つまり、実際の履帯に近い構造を金属パーツで再現した贅沢品と言えるでしょう。(キット本体よりも高いことも多い!)
私達初級者には関係のない世界の話ですから、ここでは説明は省くことにします。
履帯種類のまとめ表
まずはざっと、履帯の種類の特徴を表にしました。
ゴム履帯 | 連結履帯 | |
組み立て | 簡単 | 複雑 |
ディテール | 甘め | 細かい |
たるみ表現 | 改造必要 | 再現済み |
ここで、戦車模型初心者の方は疑問だと思うのが「たるみ表現」です。
私もそうでしたが、戦車に詳しくない人は、
「履帯ってピーンと張られているもの」
だと思っているんじゃないでしょうか?
実は履帯っていうのは結構ユルユルで、しかも重いものですから、重力で下へたるんでいる物なんですよ。
それを模型でも再現したほうが、重量感があってカッコいいと、そういうわけです。
ゴム履帯について
ゴム履帯について補足解説していきます。
塗装について
まずゴム製ということで、塗装はどうなんだと思うかもしれません。
現在のゴム履帯は、プラモ用の塗料で塗装できる材質で出来ています。ラッカー塗料でも水性塗料でも大丈夫です。一昔前のゴム履帯は、プラモ用塗料では簡単には塗装できない材質だったらしく、その頃は大変だったそうですよ。
今手に入るキットならば、大丈夫ですのでご安心を。
たるみを再現する方法
ゴム履帯は「たるみ表現」に改造が必要としました。
ゴム履帯はゴムバンドでテンションがかかっているものなので、当然ピンピンに張られた状態になっています。これでは納得できないベテランたちは、いろいろな方法を生み出して、なんとかゴム履帯をたるませようと試行錯誤してきました。
私も真似してやってみましたが、たしかに履帯がたるむと俄然重量感が出てきて、かっこよくなります。ゴム履帯のキットをつくる人は、ぜひやってみてください。
連結履帯について
次に連結履帯について補足します。
一体式とは?
連結履帯は全部パーツ分けされていて、繋いで接着すると説明しました。
ところが、最近のキット(主にタミヤ)は、『直線部分を一体式にした連結履帯』という表現を使っています。
これはどういうことかといいますと、
「直線に近い部分は1つのパーツにまとめてあげますから、カーブするところだけ1コマ1コマ作るようにしたほうが、少しは楽に出来るでしょう?」
という配慮です。
それでいて、決してリアルさは落ちないように考えられていますから、つくり手にとってはありがたい話ですね。
組み立て方法
連結履帯は、組み立てが大変です。
リアルさにこだわった結果、どうしてもゴム履帯より組み立てが複雑で面倒で、失敗もします。
ところがこれも、マスキングテープと流し込み接着剤を使って一気に組み立てる方法を、ベテランさんたちが編み出してくれていますので、それを使わない手はありません。正直、私はこの方法を使わないで上手に組み立てる自信はありません。
ちなみに、履帯を組み立ててしまうと、履帯で奥まった車体の塗装がしにくくなります。
ですが、これも素晴らしい方法「ロコ組み」「C組み」が編み出されていますので、必要に応じてやってみてはいかがでしょうか。
履帯の歴史と現在について
最後に、履帯の種類の歴史と、現在はどうなっているかを書いておきます。
履帯の種類の変遷は、
- 塗装できないゴム履帯
- 塗装できる材質のゴム履帯
- 連結履帯
と変化してきました、
最新のキットは、ほぼ連結履帯と思っていいです。
「多少複雑になってもいいから、リアルでカッコいい完成形を作りたい」
というモデラーの欲求に応えているわけです。
ただ、現在も古いキットが製造されていますから、「塗装できる材質のゴム履帯」と「連結履帯」が並行して売られている状態です。
これは、これからキットを買う人は注意しなければいけません。
初めてだから、まずはゴム履帯のキットにしておく?
初めてでも、連結履帯に挑戦したい?
よく調べて納得して買ったほうが、(仮に失敗したとしても)後悔はしないでしょう。
戦車模型はガンプラとは違う楽しさがありますし、ガンプラを作る人でも違ったテクニックを身につける事ができるので、一度は作ってみてほしいです。私は戦車模型は数台ですが、作って良かったなと思っています。
戦車模型キットを選ぶヒントになればうれしいです。
レッツチャレンジ!
初心者ならタミヤの新しめのキットがベストでしょう。とっても組み立てやすいから!
⬇たとえば連結履帯なら・・・小さめの戦車で始めてみては?
⬇ゴム履帯なら・・・人気のドイツ戦車?