こんにちは、おらプラです。
プラモを塗装していて、黄色ってとても難しいと感じます。
他の色より透けてしまって、何回塗り重ねてもなかなかキレイになりません。
あせって厚く塗ると塗膜がボテッとしますし、筆塗りの場合は筆ムラもひどいです。
「黄色がどうしてキレイに塗れないのか」
その秘密は、色の隠蔽力にあります。
隠蔽力の強弱や仕組みを理解すると、塗装がキレイに出来るようになりますし、塗装順序もわかるようになります。
黄色をキレイに塗るコツがわかりますよ!
黄色の塗装はマジ透けますよね~
プラモデルを作っている人に、「塗装するのが苦手な色」を聞くと、たいてい黄色と返ってくるのではないでしょうか。
どうしてかというと、黄色って下地が透けてしまって、なかなかキレイな黄色にならないんですよね。
あせって厚く塗っても、塗膜がボテッとしてきますし、筆ムラもひどくなることはみんなわかってます。
ですから「薄く何度も辛抱強く」塗り重ねていくわけですが、それでもなっかなかキレイになってくれません。
上の写真はまだまだ汚い状態ですが、これでももう何度も塗り重ねているんですよ?
黄色が透ける理由、それは色の隠蔽力というのが影響しています。
色の隠蔽力とは?
隠蔽力の強弱のメカニズム
色の隠蔽力とはなんでしょうか?
簡単に言うと、「その色を塗ったときに、いかに下地を隠すことができるか」ということです。
上の図で、光が隠蔽力の強いグレーの塗装の上で反射すると、人間の目にはグレーに見えます。
ところが、隠蔽力の弱い黄色の塗装では、光の一部は黄色の塗装で反射するものの、大部分は塗装を通過してしまい、下地の表面で反射します。
ということは、人間の目には「黄色と下地色が混ざった状態」に見えてしまうんですね。
これが黄色が透けるメカニズム「隠蔽力の弱さ」です。
厳密に言うと、色の顔料の特性による違いのようですよ。黄色の顔料が光を通しやすいということ。
色の隠蔽力比較
代表的な色の隠蔽力の強弱を、かんたんに比較してみました。
隠蔽力が最弱なのは白と黄色、次に赤。これが隠蔽力が弱い色の代表格です。
オレンジや青がそれよりもかなり強く、それらよりさらに強いのがグレーや緑になります。
最も隠蔽力が強いのが黒で、同じように強いのが銀色ということになります。
プラモを作っていて一番難しいのは黄色と書きましたが、「白・黄・赤」が苦労する三大悪でしょうか。
塗装順序でわかる隠蔽力
隠蔽力の強弱をわかりやすく見る方法として、塗装順序の入れ替えがあります。
簡単なテストでできますので、やってみましたので見てください。
今回まずは下地に赤と青を塗りました。
隠蔽力の弱い色として赤、強い色として青をチョイスしたということです。
そうしたら、下地の赤の上に青を塗装し、下地の青の上に赤を塗装してみます。
- 隠蔽力の弱い色の上に、隠蔽力の強い色
- 隠蔽力の強い色の上に、隠蔽力の弱い色
を塗り重ねてみるのです。
結果はこのようになりました。
青はどちらも似たような色になっていますが、赤は全然違いますよね。
青の上から塗った赤は、ドス黒い赤になってしまっています。
もちろん、もっと丁寧に塗り重ねていけばよくなりますが、極端な話、汚い赤になりやすいということです。
つまり、
隠蔽力の強い色はあとから塗っても大丈夫
ですが、
隠蔽力の弱い色は先に塗らないとダメ
ということです。
おまけに、もっと隠蔽力の強いグレーを、塗ってみました。
サッと一筆1回塗っただけで、下地の色に関わらずキレイなグレーになっていますよね。
どの色もこんなふうに塗ることができれば楽しいでしょうね(笑)
黄色をきれいに塗るコツ
私も詳しいことはわからないのですが、プラモデルの塗装では、白より黄色のほうが難しいです。
色としては白のほうが隠蔽力が弱いのですが、塗るのが大変なのは黄色なんです。
これは、塗料に含まれる顔料の違いにようものだそうです。
「黄色」よりも「白を混ぜた黄色」のほうが塗りやすいのはこのせいです。
難しいとはいえ、やっぱり黄色をキレイに塗装しなければ、完成できないプラモもあります。
そこで、隠蔽力が弱い黄色を、少しでもキレイに塗装するための、ちょっとしたコツをお教えします。
黄色をキレイに塗るには下地が大切
黄色をキレイに塗るには、下地が大切です。
ベテランたちは黄色の下地として白や銀を塗装する場合が多く、その手間を掛けることで、黄色を上手に発色させています。
私が各種のテストや実験に使っているFGシャアザクを使って、下地テストをしてみます。
いきなり黄色を塗っても、どうしても赤が透けてしまいます。
比較的隠蔽力が強いと言われるファレホを使っていますが、それでもこの程度です。
腰部を使ってテストします。
赤い塗装の上に、白と銀の帯を塗ってみました。
そこに黄色を塗装してみて、違いを見てみようということです。
そこを横断するように、黄色を塗ってみました。
3回ほど塗り重ねてみました。
どうでしょうか?
白や銀の上から塗った黄色のほうが、鮮やかに発色していますよね。
赤の上のものは、下地が黒っぽく見えてしまってます。
これ、正確に言うと白と銀のも下地が透けているのですが、
透けた色が白と銀だから目立たず、結果的にキレイな黄色に見えている
ということでしょう。
黄色の下地に、白や銀を塗ると、キレイになるのがわかってもらえたと思います。
私の経験として、横着して黄色を直接塗るより、ちゃんと下地を塗ってから黄色を塗ったほうが、結果的に早くキレイな黄色になりますよ!
白と銀・・・銀の特徴
上のテストで、下地に白と銀を使いました。
ここで補足として、銀色の特徴を説明しておきます。
本来、黄色より圧倒的に隠蔽力の強い銀色を下地に使うのはおかしい気もします。
でも、銀色というのは特殊な特徴をもっていて、
「隠蔽力が強いのに、上の色を邪魔しない」
すごいヤツらしいです。
- 強い隠蔽力で下の塗装をリセットして
- 上から弱い色を塗っても邪魔しない
これが銀色が使われる理由です。
白は白自体が隠蔽力が弱いので下地塗装としても何度か重ねる必要があるけど、銀は一発で下地完成という利点があります。
両方試してみて、ご自分なりに好みを見つけてください。
キレイに塗装するために隠蔽力を意識!
色の隠蔽力について理解すると、プラモデルの塗装にとても役立ちます。
たくさん作っていくうちに、体感的に隠蔽力の強弱がわかってくるものだと思います。
そうすると、塗装の順序に無駄がなくなったり、弱い色をキレイに塗れたり、一歩進歩したプラモデル製作が出来ると思います。
あなたも黄色の塗装をマスターして、素敵な作品を作ってくださいませ。