こんにちは、おらプラです。
プラモデルを製作することを、ちょっと格好良く(?)表現すると、
プラスチックを金属に見せる
と言えると思います。
「え、これって実物? あ、プラモデルか!」
と思ってくれたら、最高に嬉しいですし、自分も満足するでしょう。
そのために、合わせ目を消したり、塗装したり、みんないろいろ頑張るわけです。
プラスチックを金属に見せるにはどうすればいいのでしょう?
ウェザリングなど様々な手法がありますけれど、一番基本の根底にあるのは、
光の透過率をコントロールする
ことだと言われます。
難しいことではありませんので、ちょっと読んでみてください。
プラモにぐっと金属感が出て、重量感を出せるようになります。
プラスチックを金属に見せるには?
金属感を出す方法と言われると、初級者の方が最初に思いつくのは何でしょうか。
メタリック塗装?
「金属のギラギラ感を出すにはメタリック塗装かな?」
もちろん間違いではありませんし、有効な方法だと思います。
ウェザリング?
「塗装がハゲた感じを出すためにウェザリングするよ。銀色とか」
これももちろん有効ですし、大切なテクニックだと思います。
人の目が金属だと認識してしまう方法
でも、今回お話するのは、そういうことの前の話で、
人の目が「これは金属っぽい」と認識してしまうようになる方法
です。
そういうとなんか難しそうな話に聞こえるかもしれませんが、簡単なので心配ご無用!
プラスチックと金属の光の透過率の違い
プラスチックと金属は、光の透過率が違います。
透過 | 反射 | 吸収 | |
プラスチック | 90% | 5% | 5% |
金属 | 0% | 80% | 20% |
光の透過率とは、物体に光が当たったときに、どのくらい光が透過するかを表したものです。
金属は薄くても光は透けない
金属に光が当たったときに、80%の光が跳ね返り、残りの20%は吸収されます。
透過率はなんと0%です。
これはみなさんも経験でわかっていることなのですが、金属ってどんなに薄い板でも光が透けませんよね?
それが透過率0%ということです。
プラは透け透け
対して、プラスチックは光を90%通過させてしまいます。
私達人間にはあまりそういう意識はないですが、プラはスッケスケというわけです。
プラスチックの下敷きで太陽を見ることがありますが、あの理屈です。
光を反射すると重量感が出る
そして、人間はどうやら意識していなくても、
光が透けると金属とは感じない
らしいのです。
無意識の感覚の問題なので、
「なんか金属じゃなくてプラっぽいんだよなあ」
とか、
「いまいち重量感がない」
と感じてしまうのを、避けることができません。
つまり、光の透過率を下げれば下げるほど、
- プラは金属に見えてきて
- 重量感が出てくる
ということになります。
プラスチックの光の透過率を下げる方法
塗装する
まず1番は、プラモを塗装することです。
塗装の被膜が出来ることで、光の透過率を下げることができます。
ただし、塗装だけでは完全に光を遮ることはできないので、まだまだプラ感が漂うことになります。
とくに、スプレーやエアブラシの薄くて均一な塗装面は、それが逆に光の透過率をそれほど下げられないことになります。
サーフェイサー
次に使われる方法は、塗装の前にサーフェイサーを吹くことです。
サーフェイサーとは薄いパテのようなもので、プラの表面処理に使われます。
サーフェイサーは塗装の食いつきをよくするとか、下地を整えるとか役割がありますが、光の透過率を下げるという効果も発揮するのです。
とくに、黒いサーフェイサー(通称黒サフ)は、光を遮る効果が高くて、愛用する人も多いです。
裏地を塗装する
また、パーツの表側ではなく、見えない裏側に塗装しておくという方法もあります。
サーフェイサーはプラ表面のモールドを消す恐れがあるので、それを嫌って裏側に塗装膜を作っておくわけです。
表と裏で、塗装膜が単純に2倍という考えです。
この場合、黒やシルバー(透過率が低い色)が使われます。
上の写真は、飛行機のコクピットの内側にグレーを塗ったものですが、赤線の左右で光の透け具合が違うのがわかりますね。
プラを金属に見せて重量感を出そう!
上の写真は、右が塗装しただけのザクで、左が黒下地からの塗装のザクです。
私のおそまつな作例で申し訳ないですが、重量感という意味では左の緑のほうが感じませんか?
作風の違いもありますし、どちらが好みかは別としても、右の茶色は軽い印象を私はもってます。
これもおそまつですが、FGザクに黒サフを吹いて、その上にペタペタと赤を塗っただけの練習作品。
汚いけど、なんかドッシリして感じます。
出せるのが私の作例だけなので、説得力なかったらゴメンナサイ(笑)
ただ、今回説明した光の透過率については、上級者はみんな意識してやってらっしゃる「真実」ですので、そこは疑わないでくださいね。
私も最初にこのことを知ったときは、上のFGザクで実験してみたんです。
そして、「おお~たしかにそうかも」と感じました。
みなさんも一度、安いプラモでいいので、練習がてら実験してみませんか?