こんにちは、おらプラです。
一番安価に入手出来て、プラモデルにおけるヤスリの基本とも言える存在が紙ヤスリです。
薄い台紙にヤスリの粒子がコーティングされていているアレ、プラモじゃなくても、みなさん一度は使ったことあるのでは?
ヤスリもいろいろ便利なものが売られていまして、金属ヤスリもあればスポンジヤスリなんてのもあります。バリエーションも多い。
でも、それらに手を出す前に、もう一度紙ヤスリの万能さを振り返ってみませんか?
「使い方次第でどんな場面でも対応できる」
本当にアイデア次第でいろいろな使い方があるんです。
長年モデラーたちが生み出してきた、さまざまなアイデアを紹介しますので、ぜひやってみてください。
紙ヤスリは基本にして万能
紙ヤスリは、ほとんどどのメーカーからも販売されていますが、とくに性能差はないと思われます。
ただ、100均などのとても安価なものは、ちょっと使いたくない。
理由は、番手が数字通りじゃなくてバラツキがあることと、紙ヤスリ自体が大量に使うものではないからです。
あと、番手が細かいもの(仕上げ用)は売ってないですし。
100均で代用できるものは積極的に使いますが、紙ヤスリはダメかなと感じます。
紙ヤスリの使い方
種類多し
紙ヤスリは段階的に番手(粗さ・細かさの目安)が設定されています。
60ぐらいから始まって、120、180、240と続き、数千、数万まで続きますからね。
といっても、よく使うのは決まっているので、みなさん普通は10種類はいかないでしょう。
好みの大きさに切れる
紙ヤスリはハサミやカッターで簡単に切れます。
好みの大きさに出来るのですが、そのあたり後で解説します。
平面も曲面もOK
紙ヤスリは金属ヤスリと違ってやわらかいので、ヤスる対象に自由自在に追従してヤスることが出来ます。とっても便利。
ただ、
「自由自在?じゃあ紙ヤスリは無敵なんですね!」
とはならず、実は平面がやや苦手だったり、使い方を知らないと不便だったりするのです。
「使い方のノウハウを知っていれば」
という条件付きで、
「紙ヤスリは万能」
ということです。
そして、その使い方のノウハウ、長年先輩モデラーさんたちが受け継いできたノウハウを、紹介していこうというのが今回の狙いです。
紙ヤスリは平面が苦手?
まず最初に、紙ヤスリがやや苦手な「平面を平面のままヤスる」ことについて書いていきます。
平面に丸みがついちゃう
人間の手って思い通りにいかないものですから、均一な力を加えているつもりでも、けっこうバラツキがあるみたいです。
強い力が加わったところは多く削れ、力が弱かったところはあまり削れず、もともと平面だったところでも、平面じゃなくなってしまうのです。
太鼓型になったり、凹型にへこんじゃったり。
角が丸まる
また、ある面をヤスっている時に、指で抑えて知らないうちに曲がった紙ヤスリが、角をヤスってしまう場合があります。
これはキレイでシャープなエッジを甘くしてしまうので、プラモデルでは嬉しことではありません。
硬いものに貼る
こういう場面は金属ヤスリを使うのもいいですが、紙ヤスリでも対策があります。
木片や金属板を準備しておき、それに両面テープで貼り付けて使うのです。
紙ヤスリを硬いものに貼ることで、金属ヤスリと同じ働きができるようにするアイデアです。
適当なものが身近になければ、専用の道具も売ってますので、利用するのもアリでしょうか。
マイナスの直角
上の方法のバリエーションですが、木片の直角を活かして、マイナスの直角をヤスるときも便利です。
きれいな直角を出せますし、金属ヤスリでやるときのようにサイド面で傷つけることがありませんよ。
小さな凹面はこうヤスろう!
他のヤスリが苦手な場面
次は、他のヤスリが苦手な「幅の狭い凹面」をヤスる場合のノウハウです。
細い金属ヤスリがあればいいですが、対応できない幅も出てくるでしょう。
幅に合わせて切る
こういう時は、紙ヤスリが好きな幅で切れるという特徴を活かします。
その場でピッタリ(か、やや狭め)にカットするだけで準備は完了です。
ピンセットなどで
ピンセットかラジオペンチで上の写真のように曲げて持ちましょう。
強い力を加えられるわけじゃないんですが、どうせ狭いところなので大丈夫。
軽く押さえつけて左右に動かしているだけで、案外ラクにヤスることが出来ますよ。
細すぎる精密ピンセットは変形しちゃう(もったいない)恐れがありますし、太めのものを使ったほうがいいでしょう。
細いスジをヤスろう!
次は、細いスジをヤスりたい場合のノウハウです。
紙ヤスリを折って
紙ヤスリを小さく切って、写真のように折り曲げます。
これで準備終了!
細いところでもヤスれるよ
折り曲げた紙ヤスリの曲げ面を、細いスジやモールドに押し込んで使います。
プラモデルでは細いモールドも多いですけど、案外これくらいの厚みでもちゃんと入るんです。
ただ、すごく細いスジボリなどになると、これではさすがに厚くて入っていきません。
これではせっかくの細いスジボリの幅を広げてしまうことにもなって、シャープさを失ってしまいますよね。
こういう時は、次の方法です。
「もっと」細いスジをヤスろう!
細いスジボリを掘って、その削り面を整えてカスを取り除きたい場合など、この方法を使ってはどうでしょうか。
紙やすりを斜めにカットする
まず、紙ヤスリをデザインナイフでカットしますが、そのときに刃を垂直ではなくてナナメに傾けます。
これはどういう意味かといいますと・・・
紙ヤスリは台紙の表面にヤスリの粒子をコーティングしてあるわけですが、ナナメにカットするとこういう状態になります。
切断面の先端が、台紙がなくヤスリ面だけが残っている状態にするのです。
これは、上で2つに曲げたものより、かなり薄い状態になっていますよね。
スジボリをキレイに整える
これで細いスジボリにもヤスリを突っ込む事ができるようになります。
強い力ではヤスれないので、あまり派手なヤスりには向きませんが、スジボリの毛羽立ちを整えたりするのには便利ですよ。
⬇代用としてこういう道具(キサゲ)を使うのもいいででしょう。便利。
紙ヤスリの欠点
ここであらためて、紙ヤスリの欠点を書いてみます。
ノウハウを使って対応できるとはいえ、やっぱり苦手なものは苦手なのです。
そして、そんな時にどうして違う道具を使うのかということが見えてくると思います。
折れてしまう
紙ヤスリは自由に曲げられますが、紙よりは硬くて厚みがあるので、ある時点で折れてしまいます。
それを解消する意味合いで作られているのが、スポンジヤスリなのです。
広い曲面を滑らかにしたいときは、スポンジヤスリなら間違いありません。
やっぱり平面
紙ヤスリは平面が苦手と書きましたし、プレートに貼ることで対策できるとも書きました。
でも、厳密に言えば、やはり金属ヤスリにはかなわないと、私は思っています。
平面を出したい時は、金属ヤスリを使うべきと思います。
すり減ったものも大事
蛇足ですが、紙ヤスリは使い古したものも保管しておくといいですよ。
例えば240番の紙ヤスリを使い込んでいって、かなり減ってきたとしましょう。
たぶんそのとき、番手で言えば400番とか600番程度になっていると思います。
240番としては使えなくても、もっと細かい番手としては、まだまだ使えます(←ケチ?)
紙ヤスリ使い方まとめ
以上、紙ヤスリは基本でありつつ、ノウハウを活かせば、いろいろな場面に対応できる万能さがあることがわかってもらえたと思います。
昔は金属ヤスリと紙ヤスリしかない時代で、代々のモデラーさんたちは試行錯誤して対応してきたのです。
私達のような駆け出しは、最初から便利な道具に頼ってもいいですが、まず一度は紙ヤスリのノウハウを経験して、試してみるのがいいと私は思います。
そうすることで、どうしてスポンジヤスリが出てきたのか、とか、金属ヤスリはどういう時に便利なのか、とかが理解出来ると思うんですよね。
『紙ヤスリ 使いこなせば 神ヤスリ』
お粗末様でした~(笑)
私もそうなのですが、紙ヤスリはタミヤ製が一番好きという人が多いみたいです。手触りとか厚みとか、ちょうどいいのですよ~。