こんにちは、おらプラです。
水性塗料ファレホを使って筆塗り塗装を楽しんでいます。
ファレホは完全乾燥すると塗膜が強いといいます。
実際、水性塗料としてはかなり強くて、助かっているのですが、ひとつ悩みがありました。
「ファレホって上から何を重ねて塗れるのか?」(塗れないのか?)
ということです。
入門書を読むと基本的にラッカー塗装が多いですし、水性塗料でもファレホは多少特性が違うからです。
ファレホを使っていく上で、
- エナメル塗料によるスミ入れは?
- ウェザリングカラーを溶剤で拭き取る時に溶けない?
- 油絵の具(油彩)を重ね塗りすることは大丈夫?
などという疑問がわくたびに、ネットなどで調べてみたのですが、いまいちはっきりしないことも多いんです。
「こうなったら、自分が使う可能性があるものを、全部ファレホの上から重ね塗って実験してみよう」
と思いました。
実験ではっきりすれば、これからは気兼ねなく使えますし、塗装プランも立てやすいですからね。
これからファレホを使ってみようと考えている人、参考にしてください!
ファレホに上塗り可能なものを知りたい
ファレホを使っていると、こういう時に私は悩みました。
「エナメル塗料でスミ入れが当たり前みたいに言うけど、ファレホは大丈夫なの?」
「ウェザリングカラーでウォッシングして、溶剤で拭き取る時にファレホは溶けないの?」
「油絵の具はターペンタイン(テレピン)で伸ばすけど、これはファレホの上でも大丈夫?」
という場合です。
これらの「YES・NO」がわかれば助かるんです。
手っ取り早くネットで調べようとしましたが、いまいちはっきりしないことが多かったんです。
ファレホを溶かしてしまう溶剤を調査
そこで、プラ板にファレホを塗って、テストピースを作りました。
そこに、私が「答え」を知りたい溶剤を塗って、ファレホが溶けるかどうか実験するのです。
「溶剤で溶けないということは、その溶剤に対応した塗料も大丈夫」
ということです。
調査した溶剤
私が答えを知りたいもの3種類(エナメル・ウェザリングカラー専用うすめ液・ターペンタイン)と、手元にあったラッカー溶剤(絶対に溶けることがわかっていた)をテストしました。
ファレホの上からラッカー
比較対象として、ラッカー溶剤を最初にテストしてみました。
私はもうラッカー塗料は使いませんが、大量に余っています。
ラッカー溶剤は間違いなくファレホを溶かすことはわかっていましたが、はたしてそのとおりの結果になりました。
さすがラッカーは強力です。
こういう重ね塗りはしませんが、
「ラッカー溶剤でファレホをキレイに落とせる」
とだけ覚えておけば、いざという時に利用できるかもしれませんね。
ファレホの上からエナメル
私はもうエナメル塗料も使わないつもりですが、もしかすると部分的に使う場面があるかもしれません。(スミ入れ、細かい部分)
エナメル溶剤を一筆塗ってみましたが、ファレホは溶けていません。
念のために、筆でゴシゴシと強くこすってみましたが、まったく落ちませんでした。
ファレホはエナメル溶剤では溶け出しません。
つまり、ファレホの上からエナメル塗料による重ね塗りは可能ということです。
ファレホの上からウェザリングカラー専用うすめ液
次は、クレオスさんから展開されている「ウェザリングカラー専用うすめ液」です。
これは、ウェザリングカラーという、ウェザリングやスミ入れに適した便利な塗料の専用溶剤になります。
詳しい原料は不明で、はっきりとはしません。
ウェザリングカラー専用うすめ液を筆でひと塗りしてみました。
ファレホはまったく溶けませんでした。
これも念のため、筆でゴシゴシと強く筆圧をかけてこすってみました。
でも、ファレホはビクともしませんでした。
ファレホはウェザリングカラー専用薄め液では溶け出しません。
つまり、ファレホの上からウェザリングカラーによるウォッシングやスミ入れは可能ということです。
ファレホの上からターペンタイン(テレピン)
最後に、ターペンタイン(テレピン)という溶剤をテストしてみます。
「これは何に使うもの?」
という人もいると思います。
これは、スケールモデルでよく使う「油彩・油絵の具」を溶かすものです。
私は戦車を作る時に初めて使って、(まだヘタッピですが)ウェザリングに使っています。
ドッティングという手法です。そのうち記事にしますね
油絵の具を塗装の上に置いて、それを溶剤で溶かしながら汚し加工をしていくのですが、もしもターペンタインでファレホが溶けてしまうと、油絵の具自体が使えないことになってしまうわけです。
同じ用に、ターペンタインをひと塗りしてみました。
ファレホは一見のことろ溶け出しません。
ところが、筆でゴシゴシとやっていると、なんと筆の先が黒くなってきました。
ティッシュで拭き取ると、やはり少しだけ黒くなります。
「あれ? これは溶けてるということかな?」
しかし、溶け出しているのはほんの少しのようで、プラ板のテストピースを見ても、変化がわからないのです。
乾燥を待って観察してみましたが、やはり目でわかるような変化はありませんでした。
ファレホはターペンタインではごくごく少量だけ溶け出すようですが、使用上問題ないです。
つまり、ファレホの上から油絵の具によるウェザリングは可能ということです。
「ファレホVS溶剤」最終結果!
それでは、4つのテストの結果をまとめてみましょう。
溶け出し | 重ね塗り | |
ラッカー | 大 | 不可 |
エナメル | なし | 可能 |
ウェザリングカラー | なし | 可能 |
ターペンタイン | 極小 | 可能 |
このような結果になりました。
もちろん、溶剤のメーカーや濃度などによって、結果が変わってしまう可能性もあります。
ただ、今回使用したものを使う上では、
ファレホにはラッカー以外、重ね塗ることが可能
ということがわかりました。
エナメル塗料によるスミ入れも、ウェザリングカラーによるウォッシングも、油絵の具によるドッティングも、ファレホの上からやってもいいよ!
ということです。
他の水性塗料ではどうかはわかりませんが、こうなるとファレホはとても使いやすいですね。
ファレホの乾燥は2段階ですが、完全乾燥した場合ですのでご注意を。よくわからない方は、下の記事から詳細をお読みください。
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