こんにちは、おらプラです。
プラモデルのデカール(水転写式)を貼る時に、よく使う溶剤が2つあります。
- デカールを密着させるための糊
- デカールを柔らかくして凹凸にフィットさせる柔軟剤
の2つです。
例えば私が愛用しているのは、クレオスさんのマークセッターとマークソフターです。
こちらで詳しく違いについて解説しました。
しかし、使っているうちに疑問が出てきたんです。
「マークセッターでは、どのくらいの凹凸まで密着する?」
「さらに、マークソフターを使えば実際どこまで密着する?」
ということです。
今、目の前にある凹凸にデカールは貼れるのか貼れないのか?
経験を積んだベテランならわかるのでしょうが、私のような初級者にはそれがありません。
自分なりの「目安」を実験して知っておく必要があると思ったのです。
実験してみた理由
最近作った戦車模型(フランス軽戦車R35)で、実は説明書通りに貼れなかったデカールがありました。
上の写真のフランス軍の丸いマークは、本当は、矢印の凸凹のところに貼るように指示されていたものです。
でも私は、
「こんな凸凹なところに貼る自信がありましぇーん」
と、位置をずらして貼り付けたんです。
今から思えば、この実験をしてから完成させればよかったんですが、そのときは、
「あとで実験してみよう! 俺ってプラモには真面目だし、賢いなあ」
なんて思ってたんです(笑)
実験準備
それでは、実験の準備を説明します。
プラ板とジャンクパーツで
プラ板に位置決め用の線をひいて、そこにジャンクパーツを接着して凹凸を作りました。
WAVEさんの丸リベットと、マシーネンクリーガーのランナーにおまけで付いているボルトナットを、凸凹に使います。
凹凸の加減は4種類で、3つのパターンで使えるように設置しました。
- デカールそのまま貼る
- マークセッター使って貼る
- マークソフター使って貼る
の3パターンです。
余っていたデカールの中から、白いものを使うことにしたので、ファレホ・ホビーペイントスプレーを吹き付けて黒くしました。
「実験のための準備」・・・って面倒でしたが、今後の自分のためだと思って頑張りました(笑)
マークセッターとマークソフター使います
使った溶剤は、愛用のクレオス製品(マークセッター・マークソフター)です。
詳しくはこちらの「セッターとソフターの違い」でも書きましたが、
- マークセッター・・・追加の糊だけじゃなく、少し柔軟剤も含んでいる
- マークソフター・・・100%柔軟剤のみ
です。
つまり、「マークセッターでもある程度柔らかく凸凹にフィットする」わけで、その守備範囲を知りたいのが今回の実験の目的になります。
おことわり
最初にお断りしておきますが、私の技術はまだまだですので、上手な人がやれば違う結果になるかもしれません。
そのあたりはご了承いただいて、「初級者による、初級者のための実験」として参考にしていただければと思います。
実験開始!
それでは、順番に実験していきますね。
おおまかな実験手順は考えてからやりましたが、試行錯誤しながらですので、失敗もありますのでお許しを。
デカールそのまま貼る
まずは、溶剤を使わずデカールそのままで貼ってみました。
一番凹凸が小さい丸リベットにも関わらず、まったく貼れません。
はっきり言って、上に載ってるだけで、吹けば飛ぶような感じです。
マークセッターで貼る
次にマークセッターを塗ってから、デカールを貼ってみました。
多少デカールが柔らかいような感じになりましたが、これもまったく貼れません。
マークソフターで貼る
最後に、マークソフターを上から垂らしてみましたが・・・
結果はあまり変わらず、どれもうまく貼れませんでした。
そもそも凹凸に対してデカールが小さすぎて、実験に無理があったようです。
やり直し。
デカールそのまま貼る(デカール大きめ)
次は、ドイツ戦車に付いてきたやや大きめのデカールを使って、やってみることにしました。
これくらいの大きさになれば、もしかするとうまくいくかもしれません。
まずはデカールだけで貼ってみましたが、やはりこれは凹凸が大きすぎて、うまく貼れません。
デカールだけで貼る場合は、たぶんほぼ平面しか無理なんでしょうね。
マークセッターで貼る(デカール大きめ)
次に、マークセッターでやってみましたが、やはりキレイには貼れませんでした。
写真を見てもらえばわかると思うのですが、デカールそのままよりはかなりデカールが柔らかくなっているのがわかるでしょうか?
ボルトナットの凹凸に、全体的には多少フィットしつつあります。
もちろん、これでは実際にプラモに貼る場合には台無しです。
マークソフターで貼る(デカール大きめ)
続いて、本命のマークソフターを使ってみました。
なんと!みるみるうちにデカールが凸凹にフィットするではありませんか。
マークソフター塗ってしばらく放置➡綿棒で押し付けると、見事に凹凸に追従して貼ることが出来ました。
「うわっ、こんなに違うものなのか!」
比較してみましょう
凹凸の具合と、デカールの大きさがたまたまうまくいって、3パターンの違いがよくわかる例になったと思っています。
追加実験(大きなデカールで練習)
マークソフターのあまりの効果が気持ちよくて、ついでにもう少し練習がてら実験してみました。
やはり、マークソフターを塗ると、デカールがものすごく軟化するのがわかります。
上の写真では、「2」の下の方とかが、ゆがんでしまってますよね。
「デカールが柔らかくなる=弱い=破れやすい」ということにもなります。
横から見ると、いかにデカールが柔らかくなって、凸凹にフィットしているかわかります。
すごいですよね。
恐るべしマークソフター!
もう一枚、もっと丁寧にやってみました。
やはり「2」が少しゆがんでしまいましたが、さっきより上達していますね(笑)
そして、あらためてマークソフターの能力に驚いてしまいました。
実験結果と考察
今回の実験で、わかったことを挙げておきます。
- デカールそのままでは、ほぼ平面にしか貼れない
- マークセッターは多少柔らかくなるが、激しい凹凸は無理
- マークソフターはかなりの凹凸でもフィットさせる
- ただしデカールの破損に注意が必要
- 凹凸に対して小さすぎるデカールは貼れない
- 「どの程度まで」可能かは経験を積むしかない?
以上です。
私としては、マークセッターは毎回必ず使っていますが、マークソフターはめったに使いません。
ただ、上の写真の時もそうですが、凹凸がある場合は積極的にマークソフターを使ったほうが、安全(デカールが凸凹で浮くと白く目立っちゃう)だと思います。
そして、一番最初に書きました、フランス軽戦車のあの凹凸ですが、
「マークソフターなら余裕で出来たな」
と、今は思います。(破れて失敗した可能性もありますが、「貼れる範囲ではある」という意味で)
プラモデルを作るほうが楽しいですし、実験は面倒でしたが、今回やってみた甲斐はあったと思います。
「マークソフターは、かなりの凸凹でもフィットさせてしまう」
ことがわかっただけで、大収穫。
同じ初級者モデラーさんたちの参考になれば、さらに苦労が浮かばれるのですが。