白化(デカール)とは?
プラモデルの世界で白化(はっか)というのは2つあります。
- パーツのゲートに関して
- デカールに関して
です。
パーツのゲートに関する「白化」は、こちらをどうぞ。
こちらで解説する「白化」はデカールについてです。
デカールの白化とは、デカールで本来透明であるべき場所(=見えて欲しくない場所)が白くなって見えてしまうことです。
例えば上の写真では、数字の周囲によく見ると透明なフィルムが見えると思います。
これはデカールには必ずあります。
透明な薄いフィルムの上に、文字が印刷されていると考えるとわかりやすいと思います。
これは上手に貼って白化していない状態ですが、あえて光を当てて見えやすくしています。
本当はこんなふうに、透明部分は目立ちません。
上手にデカールを貼るということは、透明な部分が透明なまま、見えにくい状態で仕上がります。
完全に見えなくしてしまう方法はありますが、ここでは省きます。
ところがデカール貼りをミスして、透明な部分が白くなって見えてしまうことがあるのですが、それが白化なのです。
下地が白だと比較的目立ちませんが、白以外だとすごく目立ってしまって、
「あ、ここにデカールはってあるね」
とわかってしまいます。
デカールが貼ってある=プラモデルっぽい=リアルではない
というわけです。
デカールの白化は、モデラーにとっては避けたいもので、腕の見せ所の1つなんですよ。
白化はどうして出来るのか?
デカールの白化はどうして起きるのか、簡単に解説した図が上です。
デカールは透明なフィルムの上に印刷されていて、その透明フィルムとプラモデルが、のり成分で接着されています。
ところが、のり成分が不足すると、スキマが発生したり気泡が入ったりします。
プラパーツの表面も完全平面ではありませんから、そこを埋める十分な量ののり成分が必要になります。
これが、デカールの白化ということで、透明なフィルムのはずなのに、白く見えてしまう結果になるのです。
デカールの白化は、言い換えれば、デカールが密着できていないということなのです。
水中に透明なビニールを沈めるとまったく見えなくなりますが、水面にビニールを浮かべて気泡があると、ビニールがわかるじゃないですか?
あれと似ている現象です。
水転写デカールが好まれる理由に通じる
上の写真はHGガンダムに、付属のシールを貼った状態です。
ガンプラに付属してくるシールはお手軽でいいのですが、くっきりとデカールの形がわかってしまいます。
これは「水転写デカールを貼るのを失敗して白化した状態」と一緒です。
ですから、これでは納得できない人向けに、バンダイは「ガンダムデカール」という水転写デカールを別売りしているわけなんですね。